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「クロ・スロ・ハン」、3ヶ国周遊ルートを継続提案−課題解決に向け一丸

  • 2009年11月19日
 クロアチア・スロヴェニア・ハンガリーは合同でセミナーを開催し、昨年に続き3ヶ国を巡る「パールロード」を提案した。パールロードはクロアチア北部、スロヴェニア、ハンガリー南部を中心としたルートで、名前の由来はクロアチアの「アドリア海の真珠」など、各国が真珠にちなんだ愛称を持っているため。3ヶ国の共通テーマとしてワインを取り上げ、観光に加えワイナリー巡りやワインに合わせた味わい豊かな料理の魅力を訴えていく。

 ハンガリー政府観光局局長のコーシャ・バーリン・レイ氏は「日本人の旅行形態を考えると、ヨーロッパはフランス・イタリアを除いてモノ・ディスティネーションは難しい」とし、パールロードを提案することで「3ヶ国が協力して日本人の誘致に努めたい」と意欲を述べた。同氏によると昨年10月に開催された1回目のセミナー以降、パールロードを巡る商品は作られたものの、まだ市場には浸透していないとの認識。今後は引き続き旅行会社にツアーの造成を呼びかけると共に、メディアでの露出増をめざしプレスツアーの実施を検討しているという。


▽「パールロード」に対する各国の期待

 クロアチア政府観光局日本代表のエドワード・トゥリプコヴィッチ・片山氏は、クロアチアは日本人旅行者は増加しているものの、その多くがドゥブロヴニクに集中していると指摘。パールロードは、日本人を北部に誘致できるメリットあり、セミナーでは首都ザグレブ周辺やスラヴォニヤ地方を訴えた。

 また、スロヴェニアは宿泊日数の増加が課題。スロヴェニア政府観光局マーケティング・マネージャーの石毛照栄氏によると、2008年の日本人渡航者数は前年比58%増の3万8796人で、今年も6月を除いてプラスに推移しており、8月は37.3%増の5716人となっている。渡航者数が増えた一方、平均宿泊日数は1.4泊とまだ低いため、パールロードのモデルルートでは2泊の滞在を訴えた。

 ハンガリーはブダペストの一極集中を崩すのが狙いだ。コーシャ氏によると、現在の数ヶ国周遊パッケージはブダペストやプラハが組み込まれた商品がほとんどで、ブダペスト以外の選択肢が無いため、リピーターが参加しにくいのが現状であるという。そのためパールロードでペーチを中心としたハンガリー南部を紹介し、リピーターの取り込みをめざす。


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