ツアーオブザイヤー、大賞は阪急交通社の九州発アラスカクルーズが受賞

  • 2009年9月24日
 ツアー・オブ・ザ・イヤー実行委員会は第16回の受賞作品を選出、9月18日のJATA世界旅行博会場で表彰式を開催した。国土交通大臣賞に選出したのは、阪急交通社九州営業本部の「日本航空チャーター直行便利用 超大型豪華客船『サファイア・プリンセス号』の旅ゆったり優雅な夏のアラスカクルーズ」。08年からの1年間で計6本を催行し、1750人を集客した。これに対し「飛行機に加え、船も買い取り、地方発着という大きなリスクを背負いながら挑んだ姿勢が素晴らしい」「地方発着のクルーズ商品でここまで売れたのが驚き。クルーズの潜在性の高さを業界に認識させた」との評価で、「クルーズの潜在需要を掘り起こし、消費者にもクルーズを身近に感じさせた」として、市場拡大貢献部門グランプリ賞も受賞した。ちなみに同ツアーは、今春に発表されたクルーズ・オブ・ザ・イヤーの優秀賞にも選出されている。

 同実行委員会は2008年4月から09年6月末まで企画作品を募集し、応募総数は計147作品。そのうち、海外旅行の募集型企画旅行は前年より24作品増加の110作品、国内旅行は14作品増加の37作品が集まった。今年の傾向として、海外旅行ではヨーロッパ方面が45作品とほぼ半数で、西欧のみならず、アイスランドや中欧、東欧までヨーロッパ商品の幅の広がりがうかがえる。また、チャーター利用商品が増加しており、リスクを負っての企画・販売が根付いてきたとする一方、「世界遺産に頼りすぎて内容の薄い企画も目立った」「名ばかりのエコ商品が目立つ」「単に物を配れば社会貢献か」「高級商品もハードに頼りすぎて結果的に収益性向上に繋がっていない。ソフト面のサービスに工夫すべき」と、昨今のトレンドにあわせた安易な造成傾向を指摘する意見もあった。総評として「全体的に小ぶり」「旅のときめき、躍動感のあるものが少ない」など、旅ならではのリアリティを求める意見が多かった。


▽2009年度ツアー・オブ・ザ・イヤー受賞作品

■海外旅行部門
・募集型旅行部門
国土交通大臣賞、市場拡大貢献部門グランプリ
阪急交通社 九州営業本部/「日本航空チャーター直行便利用 超大型豪華客船『サファイア・プリンセス号』の旅 ゆったり優雅な夏のアラスカクルーズ」

パッケージ旅行企画部門グランプリ
ジャルパック/「おでかけママ★キッズ」

デスティネーション開発部門グランプリ
グローバルユースビューロー グローバル エクスペディションチーム企画/「インドの大地とアッサムクルーズ」

観光庁長官賞
JTBワールドバケーションズ/「世界遺産紀行」

審査員特別賞:3席
ユーラシア旅行社/「アイスランド・バス大周遊10 日間」

朝日旅行/「〜モンブラン・マッターホルン山麓での休日〜 イタリアアルプスの優雅な夏休み」

三越/「特別見学で極める世界遺産美の競演 憧れのパラドールでのスパニッシュナイトへの誘い 魅惑のスペイン9 日間」


■国内旅行部門
グランプリ
農協観光/「地産地消・持参地消 こだわりの宿」

観光庁長官賞
JTBグローバルマーケティング&トラベル/「Moderno y Clasico Moderno e Classico Modernite et Tradition」

審査員特別賞
クラブツーリズム/「バリアフリーお遍路」