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新型インフル、検疫が通常対応に、運用指針改定で質問表、入院措置なくなる

  • 2009年6月22日
 厚生労働省は6月19日、新型インフルエンザについて医療や検疫などの運用指針を改定した。検疫ではこれまで実施していた健康状態質問表をなくし、事後的に症状を確認できるように改定した健康カードの配布に変更。有症者に対するPCR検査を実施せず、入院による隔離措置からマスク着用などをして帰宅させ、自宅療養とする。外国人訪日客の場合は滞在先のホテルでの療養を促し、宿泊先や訪問先となる自治体に情報を提供する。ただし、事前通知で有症者が判明している場合は状況に応じて機内検疫を実施するほか、集団旅程から複数の有症者が認められた場合はPCR検査を実施するなど、臨機応変に対応する。改定にともない厚労省検疫所はホームページで、通常の検疫対応になったことを案内している。

 今回の運用指針の改定は、新型インフルエンザの封じ込めが困難であると判断し、秋冬に向けて患者数の大幅な増加を抑制することで、社会活動の停滞や医療供給への影響の低減をはかるもの。検疫以外でも診療機関を発熱外来から一般医療機関に切り替え、患者には外出自粛、自宅療養に変更している。また、諸外国の状況として、世界保健機関(WHO)が警戒レベルをフェーズ6に引き上げ世界的な蔓延状態にあると宣言しつつも、社会経済的混乱を招かないよう各国の状況に応じて柔軟に対応することを求めていることも付記している。

 なお、国内の患者数は、経過観察中が187名でそのうち120名が入院中。調査中は19名で、治癒済みは523名となっている。(厚生労働省 6月19日午後4時発表)