スカイマーク、機長退職で168便運休−振替と払い戻し進める

  • 2008年6月3日
 スカイマーク(BC)は6月中に、羽田/福岡線など合計168便を運休する。5月にパイロット2名が病気などの理由で退職し、スケジュール通りの運航が不可能になったことから、6月2日の羽田/旭川線(SKY609便、SKY610便)、羽田/神戸線(SKY108便、SKY117便)を欠航し、同日に国土交通省へ計画変更を申請。国交省は、予約客への速やかな連絡と振替などの対応を指示しており、BCでは現在、振替と払い戻しを進めているものの、影響の出る人数は不明という。BCを使用した旅行商品を購入した消費者には、旅行会社から連絡し、変更などに必要な費用はBCが負担している。

 運休する路線は羽田/旭川線が40往復、羽田/新千歳線が24往復、羽田/神戸線が56往復、羽田/福岡線が48往復。通常のスケジュールでは、それぞれ1日3往復から10往復を運航しており、運休便以外は通常通り運航する。7月以降については、パイロット確保の目処がたっていないものの、現在は予約を受け付けている。BCでは、乗務パターンの変更や訓練の前倒しなどの可能性を探り、通常スケジュールでの運航をめざす方針。運休便の詳細は下記を参照のこと。

 なお、今回の運休はパイロットの退職が原因だが、パイロット不足はBC以外でも深刻なようだ。スカイネットアジア航空(6J)も、運航に必要な航空身体検査証明を不正に取得することをパイロットに指示したとして、国交省から立ち入り検査を受けている。国交省航空局によると、今後5年間で団塊世代を中心に毎年200人から300人のパイロットが退職する見通し。

 国土交通省では、中長期的には航空大学校や一般の大学でのパイロット要請コース設置、航空会社の自社養成など、人材確保に取り組んでいるが、この結果が出始めるのは「5年から10年後」(航空局技術部乗員課)の見込み。短期的な取り組みとしては、定年退職後の再雇用や外国人雇用を進めやすい環境整備を進めているものの、パイロット数の減少分を補えるかは不透明だ。


▽BC運休便(路線/便名/期間)
羽田/旭川線:SKY609便、SKY610便/6月3日〜18日、6月23日、6月26日、6月29日
羽田/札幌線:SKY717便、SKY720便/6月15日
羽田/札幌線:SKY727便、SKY730便/6月9日〜12日、6月14日〜17日、6月23日、6月26日、6月29日
羽田/神戸線:SKY108便、SKY117便/6月3日〜29日
羽田/福岡線:SKY017便、SKY020便/6月3日〜17日、6月19日〜20日、6月22日〜26日、6月28日〜29日