日本インド観光促進委員会が発足、インド旅行を「ビジネスの土俵に」

  • 2008年4月21日
 インドへの日本人訪問者数を年間30万人の規模をめざし「日本インド観光促進委員会(JITC)」が発足、4月17日に第1回会議を開催した。JITCの委員長は、びゅうトラベルサービス代表取締役社長の佐藤勉氏で、副委員長にジェイティービー旅行事業本部海外企画部長の山崎道徳氏、近畿日本ツーリスト取締役海外旅行部長の杉井健二氏が就任した。加盟社は、旅行会社からホールセールを中心に17社と、日本航空(JL)、エア・インディア(AI)、タイ国際航空(TG)、事務局長はエーペックスインターナショナル代表取締役会長の松岡修氏が務める。

 第1回会議の冒頭、佐藤氏は「日本市場のなかで、インドは観光をビジネスとして土俵に乗せられるレベルにない」と現状を説明し、JITCを通して「基盤、土俵作りをすすめたい」と語った。会議では、特に旅行会社側の勉強不足を指摘する声が多くあがった。AI東日本地区旅客営業部部長の伊藤雄三氏は、「現在は、旅行者のほうが旅行会社よりも知っている状態」と語ったほか、オブザーバーとして参加したスリランカ航空(UL)営業部長代理の金杉公夫氏も、「これまで南インドに FAMツアーを何度か実施してきているが、ここに出席している十数社のうち、参加した会社は2社のみ」と指摘した。

 これに対し、旅行会社側からは「努力」する必要について強く意識する発言に加え、「怖がりで何か起きたらすぐに引いてしまう日本人のメンタリティに合わせてビジネスの展開を」(阪急交通社取締役執行役員東日本営業本部長の小川清隆氏)や、イメージ戦略の重要性、バスや日本語ガイドなどインフラ改善の必要性などが訴えられた。オブザーバーの日本旅行業協会(JATA)事務局次長の米谷寛美氏は、「インドから帰ってくる旅行者の感想は、良し悪しがはっきり分かれる。『とりあえず連れて行こう』という売り方は無理。商品を作る側が勉強し、目的やテーマをはっきり決めるべき」とコメントした。

 なお、アジア太平洋観光交流センター(APTEC)国際部長の市川和夫氏は、アッサム州の観光業界関係者に日本人受け入れのためのセミナーを開催するほか、2009年1月には国土交通省の支援のもとで観光に関するシンポジウムを開催し、日本の旅行業界関係者とともに訪印する計画を明らかにした。


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