旅行業界はシステムとの相性が悪い?エンジニアから見た業界の課題は-Play Technologies 佐藤拓人氏

  • 2024年3月25日
-旅行会社以外で観光産業へのシステム提案は考えていますか?

佐藤 宿泊施設に対する自社サイトと予約システムの提案で、「安くてもちゃんと使えるもの」という点は我々が得意とするところです。既に、飲食店などに対しLINEで予約できるシステムの提供は行っています。

 我々としては、幅広く様々な会社の事業がブーストされるようなソフトウェアを提供することと、個々の強みを伸ばすスクラッチ開発を両輪で進めていきたいと考えています。

-今後の旅行業界の展望についてご意見をお聞きしたいと思います。

佐藤 業界内で、システムのパッケージ文化が根強いところは今後変えていかなければならないところだと思います。

 「わからない、判断ができないからパッケージで」というシーンによく遭遇しますが、パッケージシステムは、比較的簡単にシステムを導入できるなど良い面もたくさんありますが、一方で、それは「ソフトウェアで他社と差別化しません」ということです。

 事業面で差別化できるなら問題はありませんが、仮にその差別化が国内だけだった場合、海外から参入するプレイヤーはすべからくソフトウェアが強く、戦う武器はなくなります。

 旅行業界を海外プレイヤーに負けない業界にしていくために、このことは受託会社側から理解を促し改善していくべきだと感じています。

 日本の旅行業界は珍しく免許制で、非常に丁寧に運用されたこの国の良いところがよく出ている業界と思っていて、問題があるとすぐに業界全体として問題提起され、安心安全での旅行体験を作る土壌があります。

 現在、様々な業種で、グローバル特にソフトウェアで力をつけた巨人たちがやってきています。今後ますます重要となるであろう日本の観光が良いものであり続けられるように、旅行業界の方々が旅行自体のクオリティを維持向上するなか、海外勢にも対抗し得るサービスやソフトウェアを準備提供していくことが我々の使命だと思っています。

-ありがとうございました。