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バルセロナ観光局が業界向けセミナー、ピカソ没後50周年でイベント充実、来年には「America’s Cup」開催も

  • 2023年6月21日

 バルセロナ市観光局は6月15日、現在東京国立近代美術館で開催されている「ガウディとサグラダ・ファミリア展」に併せ来日し、業界向けにバルセロナの最新情報などのプレゼンテーションを行った。

セミナーは東京国立近代美術館で開催された。

 スペインは世界でも早期にコロナ禍からの回復を見せた国で、冒頭に挨拶を行ったスペイン政府観光局局長ハイメ・アレハンドレ氏によると2022年スペインの外国人観光客数は約8000万人、これは過去最高を記録した2019年比で約9割まで回復したことになる。一方、日本からの観光客数は2019年が過去最高の68万3000人に対し2022年は12万5000人にとどまったが、今年の1月~5月の日本人観光客数は10万人を記録し大幅な回復を見せており、アレハンドレ氏も「日本側の昨年9月からの水際対策緩和以降はスペインへの航空券や宿泊の検索数も大幅に増加した。」と話す。

 アレハンドレ氏はスペイン観光の魅力について、世界遺産などの観光名所や食事を挙げており「スペインの世界遺産の数49箇所は、世界で第4位。北部の都市サンセバスチャンは、ミシュランの星の数が1平方メートルあたりで最も多い」とアピール。バルセロナについては「サグラダファミリアをはじめとして世界的に有名な観光名所が多い。また、料理や市民のホスピタリティも素晴らしくスペイン旅行では外せない街」と述べた。

 プレゼンテーションではバルセロナ市観光局振興局長のマテオ・アセンシオ氏が登壇し、観光情報などについてアップデートを行った。

 現在バルセロナ~日本間の直行便はないものの、空路、陸路、海路など交通網は非常に発達している。バルセロナ エル・プラット空港(BCN)は現在149都市に就航しており、AVE(スペイン超高速列車)ではバルセロナ~パリ間を約6時間で移動することも可能だ。

 バルセロナはサグラダファミリアはもちろんのこと、美術館や博物館、クラシック音楽などを楽しめる舞台など、文化や芸術に優れた都市で、文化イベントは年間で130以上開催されている。2023年はピカソ没後50周年で、ピカソ美術館とミロ美術館共同での「ピカソ・ミロ展」を10月19日から来年2月25日にかけて開催する。観光局としてもピカソを巡るウォーキングツアーなどを実施する予定だという。

 また、文化芸術もさることながら、地中海の海岸線約100kmを擁する自然も魅力的。14の自然保護区など緑も豊富で、アセンシオ氏は「コルセロラ公園やモンジュイックの丘などでジョギングや景観を楽しんだり、海でのセーリング、他にもトレッキングやクライミングなどを楽しんでいただくこともできる。」と述べた。

 アセンシオ氏が続けて「バルセロナが情熱を傾けるのがスポーツだ。」と話すように、市内にはFCバルセロナの本拠地カンプ・ノウやオリンピックスタジアムなどスポーツ施設が多く、サッカー、F1、マラソンなど年間を通して様々なスポーツイベントが開催される。世界最高峰のヨットレース「America’s Cup」の第37回大会がバルセロナで開催されることも決定し、来年の9月から10月にかけて実施される予定だ。

 なお、東京国立近代美術館で6月13日からスタートした「ガウディとサグラダ・ファミリア展」は9月10日まで開催している。