豪州の「今」を駐在員の視点から-日本語ツアーも再開、ポスト・コロナのウルルの楽しみ方

 オーストラリアでは新型コロナウイルスの規制緩和が進み、新型コロナウイルスとの共存「ニュー・ノーマル」が推し進められたことにより、一般市民生活は新型コロナウイルス禍前にほぼ戻っています。今回は新型コロナウイルスの現状と、オーストラリアが世界に誇る観光スポットでありながら、シドニーやメルボルンのような大都市ほどコロナ禍における最新情報が伝わってこないウルル(エアーズロック)の今をお届けします。

多くの旅行客で賑わうウルル・サンセット会場

新型コロナウイルスの現状

 本稿執筆時点では、新型コロナウイルス規制の多くが緩和され、旅行者の方が最も懸念される陽性時の自主隔離義務も廃止されたことにより、オーストラリア旅行に際しての懸念点の多くは減少したと言えるかと思います。

 但し、大幅な規制緩和に伴い、逆に日本人観光客の方が懸念される点として、マスク着用率の低さが上げられます。オーストラリアでマスク着用が義務とされる場面は殆ど無く、ホテル、レストラン、小売店、観光施設などのスタッフを始めマスク着用率は非常に低く、特にこれから夏本番を迎えるにあたり、今の段階で見られるマスク着用者も更に減少することが予想され、未だマスク着用がノーマルな日本の方の感覚とは大きな隔たりがあるように思います。ただ、今の段階で海外旅行を楽しまれている旅行者の方の中には、マスクをせずに自由に動ける、楽しむことが出来る開放感が良いというお声もあり、個人差もあるのかなという印象もあります。

 マスク着用が一般的ではなかったオーストラリア社会で、コロナ禍当初のマスク着用に対する嫌悪感のようなものは薄れて来ており、マスク着用が引き起こしかねないと懸念していたヘイト事案の心配はなくなったと感じております。

ウルルの今

 過去2年に渡り、ウルルを訪れる旅行客は国内旅行者一色でしたが、数ヶ月前より海外からのお客様も増え、コロナ禍前の活気を徐々に戻しつつあります。ホテルスタッフやツアー会社スタッフをはじめ、旅行者の方を含み、マスク着用者は殆どいません。

 日本語ツアーも9月14日より再開されました。現在は主要ツアーのみ、曜日を限定して週3日から4日程度の頻度で催行されています。参加者の多くはオーストラリア在留邦人のご家族、ご友人という状況ですが、11月、12月からは各旅行会社を通してのご予約や添乗員付き団体旅行のご予約も入り始めています。2023年4月以降に関しては未定ですが、今後日本からのお客様の状況をみながら決定される予定です。

 コロナ禍においては、ホテル、レストランや土産物店など多くのリゾート施設が閉鎖されていましたが、今はほぼ全て通常通り営業を再開しています。また、コロナ禍を経てエアーズロック・リゾートではキャッシュレス化が進み、スーパーマーケットを除き、ホテルの精算、レストランや小売店など全て現金払いが不可、クレジットカード(またはデビットカード)が必需品となっています。

ウルル麓散策の様子

※情報・写真提供:ウルルの現地ツアー会社 AAT Kings社