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ジンエアー、「日本地域本部」新設で加速する販売戦略

旅行会社との関係強化でプレゼンス向上
大型機B772活用でさらなる需要獲得へ

-昨夏の成田/グアム、サイパン間でのチャーター便もその関係強化の表れでしょうか

一柳氏 一柳 グアム便はHISのみを用機者として、7月下旬から10月下旬にかけて96本を運航し、グアムへの座席供給減を補う役割を果たせた。旅行会社からの要望に応えるため、日韓路線の増便分の機材繰りを練り直してチャーター便に充てた。サイパン便については、デルタ航空(DL)の定期便運休により座席供給が途絶したなか、JTBとエイチ・アイ・エス(HIS)の分割催行で実施し、こちらも夏期の観光需要をサポートできたと思う。

 ただし今年は、供給過剰による市場の混乱を招かないように配慮しながら、旅行会社との協議を進める予定だ。昨年10月からはチェジュ航空(7C)が成田/グアム間で定期チャーター便を運航しており、サイパンについてもスカイマーク(BC)が定期便を計画しているので、座席の需給は昨年のようには逼迫していない。

-今後の日本路線拡充の見通しについてお聞かせ下さい

一柳 LJの日韓路線は現在、すべてのロードファクターが90%以上で、日本市場での販売も好調だが、さらに販売を増やしていくには供給座席を増やす必要がある。しかし仁川も金浦も釜山もスロットが混雑しているため、増便は難しい。従って、残された手段は機材の大型化となる。

 その点においてLJは、コスト削減のために中・小型機で統一している他のLCCと比べて、大型機による運航という強みを持っている。整備などをKEに任せることができる我々は、大型機導入のハードルが比較的低く、すでに一部の路線にB777-200型機を導入している。今後も成田・関空・福岡線を中心に投入を考えていきたい。

 勿論、その一方では新規路線の開設にも積極的に取り組む。成功事例の1つが北九州/仁川、釜山線で、韓国人利用が中心だが、北九州をゲートウェイとする周遊旅行の需要喚起につながっている。同様に、例えば自治体が路線誘致に意欲的な茨城などは、チャーター便の運航などで需要動向を計りながら、定期便化を視野に入れた検討を進めたいと思う。

-最後に、中長期的な目標をお聞かせ下さい

一柳 日本市場における目標は、16年以降の販売の急速な伸びを、できるだけ維持していくことだ。これまでのように倍増を続けることは難しいかもしれないが、しばらくは50%増程度を維持したいと考えている。

-ありがとうございました