「地方発海外」を牽引、ツアー・ウェーブの戦略-江口社長インタビュー

ホールセール事業にかける想い
「リスク軽減で需要開拓」、チャーターで共存共栄めざす

-ホールセラーにこだわるのはなぜですか

江口 簡単にいえば、自分たちが持っているもので生きていこうとすればホールセラーが一番可能性があると考えたから。リテールの分野ではOTAや大手旅行会社に勝てません。しかし、地方空港発着便を活かした、地域に根差したホールセール事業であればやっていけます。これまでの経験でそう言えるのです。

 ちなみに、当社では自社サイトでパッケージツアーのオンライン販売もしていますが、購入の最終段階ではお客様が最寄りの旅行会社を選ぶようになっており、当社サイト経由の販売であってもその旅行会社に手数料をお支払いしています。これもホールセラーとしてのこだわりです。

-地方空港発着便を活用した海外旅行市場の開拓というビジネスモデルの将来性についてどう考えますか

江口 もともと東北を拠点として事業展開していますが、仙台、青森、新潟、札幌に営業所を構えているほか、福岡と沖縄にも営業所があります。東北で培ったノウハウ、モデルケースを九州や沖縄でも活かせると考えています。

 大手は仕入れ造成機能を集約し、潤沢な資金力を生かして規模の論理で市場に攻勢をかけます。そうなると当然、ボリュームが出る大都市圏対象の商品を手厚くする一方で、ボリュームが少ない地方発着の商品は手薄にならざるを得ません。地場の旅行会社としてはもう少しバリエーションのある商品が欲しいところですが、自社で企画・造成するのは荷が重いと思う会社も少なくありません。

 そこにツアー・ウェーブの「ワールドパック」のような商品があって、労せずとも手数料も入るとなれば、そこに一定の需要が生まれます。また、地方へ行けば行くほど、オンライン販売だけでなくまだまだ紙パンフレットも必要だしとなってくるため、ますますコスト上のリスクもあり手が出しづらい面があります。そうした地方の事情を背景に生まれる需要を取り込めるのが「ワールドパック」の強みです。

 実はインバウンドの観点でも似たようなことが起きていると思います。台湾や香港では訪日旅行者がFIT化しており、OTAが台頭してリアルエージェントのビジネスの余地が少なくなっているわけですが、そこで彼らはFITでは行きづらい日本の地方部に活路を見出しており、東北や九州へチャーターを飛ばし、団体をバスに乗せてツアーを回す形でビジネスを成立させています。そうした背景もあって国際チャーター便の可能性が高まっています。そうしたチャーターは主目的が訪日旅行ですが、必ずしもインバウンドのみばかりでなく、使える座席を使って日本人の海外旅行向けの商品を作ることができます。

-地方空港発着の国際チャーター便は、すでに相当活性化していると考えていいのでしょうか

江口 インバウンド需要の伸びもあり活性化しているのは事実ですが、過去と比較するとチャーター便の本数はピークではありません。かつてに比べ定期便が増えていますし、以前はワンショットのチャーターも多数ありました。とはいえ、チャーター規制緩和もあり今後さらに増えていくとは思います。