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メルカリ、旅行事業は子会社が総力挙げ開発-今秋にローンチ

▽提携・買収・OTA化-さまざまな可能性を模索

掛川氏 現在のソウゾウで新規事業に取り組むスタッフ数は10人程度で、昨月には求人を開始。同社のウェブサイトによれば、ソフトウェアエンジニアに加えて、プロダクトマネージャー、ビジネスディベロップメントスペシャリスト、コーポレートスタッフなど全7職種を募集しており、サービス提供開始時までに数人を増員する。なお、メルカリが設立された2013年に入社し、15年には執行役員に就任した掛川氏は、現在はメルカリを離れてソウゾウでの新規事業開発に専念しているという。

 現在のスタッフに旅行業の経験者は皆無。募集職種のうちビジネスディベロップメントスペシャリストについては、旅行業界での4年以上の事業開発経験とビジネスレベルの英語または中国語を求めるが、その他の職種では要件とはしていない。採用方針について掛川氏は「必ずしも旅行業に特化した人材である必要はない。旅行に興味があり、メルカリグループのバリューを体現できることが重要」と語った。

 掛川氏はLINEやDMM.comなど、異業種で特にITに強みを持つ大手の参入が相次いでいる現在の旅行業界については「レッドオーシャン化してきているが、テクノロジーの力でさらに改善していくことのできる業界。『次のメルカリ級』をめざせる大きなフィールドでは」とコメント。その大きなフィールドのなかで、将来的には既存のプレイヤーとの提携や買収、さらにはOTA化まで、可能性が考えられるさまざまな選択肢について検討する考えを示した。

 なお「次のメルカリ級にならない」と判断した場合の旅行事業撤退の可能性についても「絶対にないとは言えない」と回答。ただしその場合も全面的な撤退に限らず、サービスの再編などにより部分的に事業を継続するなど、柔軟に検討する旨を説明した。