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Relux、「グローバルOTA」へ-年内に海外ホテル、宿泊以外も

アジア発訪日客に注力
観光列車やアクティビティにも意欲

グローバルOTA化に向けた取り組みについて教えてください

河村 グローバルに展開するOTAは、客室と食事を合わせた「宿泊プラン」ではなく、客室をシンプルに提供している。我々も引き続きグローバルスタンダードに合わせて客室を販売することが必要だと考えている。

 海外会員数は全体の2割を占める30万人まで増加しており、今後も取り組みを強化する。現在の宿泊施設は日本国内のみで1800軒だが、年末までに海外の施設も取り扱いを始めたいと考えている。

 我々は宿泊施設を100の項目で審査し、「Museum」「3つ星」など独自の基準を設けて格付けしてお客様に提供している。海外の宿泊施設も同じ基準で現地を視察し、格付けする予定だ。現地視察の手間を考慮し、ROIを見ながら検討を進めている。取り扱う方面は、海外会員が多い中国や韓国、台湾、香港などの東アジアに加え、日本人がよく行くハワイなども検討している。

 扱う宿泊施設は高級施設に限らない。我々が最も重視するのは施設に対するお客様の満足度の高さなので、満足度が高く宿泊料金が安い施設も掲載している。お客様の期待や価値観と宿泊施設のギャップが生まれないよう、お客様の投稿したレビューを読み、評価が低い場合は格付けを下げるなど、まめに調整しながらサービスを提供している。

 我々の強みは圧倒的な満足度の高さ。今年の1月にEmotion Techと日経BPコンサルティングが発表したオンライン旅行サービスを対象とする調査で、Reluxはお客様満足度1位を獲得した。この満足度の高さを維持しながら、グローバル化にチャレンジしていきたい。


宿泊施設が支払う手数料について教えてください

河村 どの施設も手数料は一律で12%としている。以前は15%だったが、1年半前くらいに12%まで下げた。我々よりも手数料が安いOTAはあるが、宿泊施設1軒ずつと直接契約し、関係性を重視してコミュニケーションを強化していることもあり、宿泊施設の皆様からは信頼いただいている。

 Reluxではお客様に宿泊料金の5%分を「Reluxポイント」として提供している。手数料はこの原資やマーケティングなどに利用しており、宿泊施設の皆様からはご納得いただけていると思う。

 我々がお客様の満足度を重視していることに共感いただき、「他社には売らないけれどReluxさんにならいいよ」とおっしゃっていただいている宿泊施設もある。比率は非公開だが、Reluxしか扱っていない宿泊施設や客室もあるのが我々の強みだ。

 外資系OTAの参入により戦国時代が到来したと感じているが、例えばCtripとは提携して我々の在庫を訪日客向けに提供している。他の国内OTAが扱えない施設を販売したい、という海外パートナーは多い。すでに15社から20社程度と協力関係にある。競争は必要だが、うまく補完関係を築けるところとは提携をしていきたい。