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インタビュー:ANAセールス代表取締役社長の今西一之氏

17年度は「リゾート戦略」でハワイに注力
メキシコや中国の販売も強化

-国内旅行や訪日旅行についてはいかがですか

今西 国内旅行は北海道が弱含みだが、沖縄が好調だ。昨年度は九州在住の旅行者が「ふっこう割」を活用して九州内を旅行したため、飛行機で九州以外を訪れる国内旅行が伸びなかったが、今年度は徐々に九州外への旅行需要も増えてきている。

 旅行者のFIT化やオンラインでの旅行予約の増加を受け、好調に推移しているダイナミックパッケージ「旅作」の販売を、今年度はさらに強化する。旅作の売上高はここ数年で毎年10%ずつ伸びているので、その伸びを継続させたい。一方で、目的型の旅行商品なども注力していきたい。

 訪日旅行については、2月から海外の旅行会社向けに提供している多言語対応の国内宿泊販売システム「ARIES」を活用し、販売チャネルの拡大に取り組んでいる。これまでは契約旅行会社とメール、FAXなどでやり取りしていたが、ARIESができたことで利便性が向上した。今後は中国や東南アジアを中心に契約旅行会社を増やし、ホテルを中心とした訪日ランド事業の拡大を進めていきたい。

 加えて、7月以降には、国内航空券とホテルをセットにした商品や、2次交通がついた商品の販売を開始し、訪日客の国内周遊を促したい。NH便で日本に来るお客様に加え、例えば沖縄のように、他社便や船で日本に来るお客様が多い地域についても取り込みをめざす。


-他の旅行会社経由の販売についてはどうお考えですか

今西 我々による直販と他の旅行会社経由の販売の比率は6対4となっている。NHの公式ウェブサイトなどでの直販が徐々に増えており、海外は7割、国内は5割が直販となった。一方で、他の旅行会社を通じた店頭での販売については今後も重要なチャネルと認識しており、スカイホリデーやハローツアーなどのホールセール商品の展開も引き続き強化していきたい。

 直販については、出発日や目的地、ベストシーズンにこだわった高付加価値な旅行商品「ANAワンダーアース」の取り組みを強化しており、先日、南極や北極点に行くツアーも発売を開始している。リピーターの参加が多く、催行率も挙がっている。今後はANAセールスの看板商品と位置づけて引き続き個性的な商品を提供し、リピート率をさらに高めていきたい。


-ありがとうございました