旅行業・観光業DX・IT化支援サービス

記事ランキング、1位はカンボジア、ミキの中立性も

[総評] 今週は、カンボジア王国観光省と駐日カンボジア王国大使館による旅行業界向けイベントについてお伝えした記事でした。観光局のセミナーが1位になることは少ないのですが、全日空(NH)が羽田空港からプノンペンへの直行便の開設に意欲を示されていることが上位に入った理由かもしれません。また、一般の方にお読みいただいた可能性もありそうです。

 もちろん、カンボジアはアンコールワットなど優れた観光素材を持つ有望なデスティネーションですし、これからますます日本人旅行者が増える可能性を秘めています。

 また、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの資料によると、カンボジアは経済も高い成長率を維持しており、さらに人口が2080年まで増え続ける、といった見通しもあって日系企業の進出が増えているとのことで、飛行機の上級クラスは埋まりやすくなり、さらにさらに経済成長が続けば現地からのインバウンドも期待できますので、航空会社にとっては有望な市場でしょう。そして路線の充実は市場拡大に圧倒的なインパクトを持ちます。

 先週末から今週にかけて、オーストラリアの旅行業界向けイベント「AUSTRALIAN TOURISM EXCHANGE(ATE)」がシドニーで開催され、私も現地で取材させていただきました(リンク)が、今のオーストラリアはまさに座席増の威力を実感できる市場です。

 日豪間の航空路線では、2015年にカンタス航空(QF)がシドニー線を羽田に移して成田からはブリスベンに飛び、NHも羽田/シドニー線に就航したほか、QFは16年末にもジェットスター航空(JQ)の成田/メルボルン線を引き継いで増便しました。

 こうした結果、OAGのデータを参照すると17年第1四半期の日豪間の総座席数は、メルボルン線にQFとJQ両社が並行して飛ぶこととなったこともあり、5年前の12年と比べると1.5倍にまで拡大しました。現地発の需要が大幅に増えているので日本人訪問者数はそこまで伸びていませんが、それでも約2割の増加率となっています。

 座席さえ増えれば人が動く、という考え方が極端に進むと、旅行会社や観光局の役割とは何なのか、という話になってしまいますが、だからといってせっかくのチャンスにそっぽを向くのも賢い判断ではありません。

 オーストラリアについていえば、政情不安の続いた欧州からの需要シフトもあったそうで、逆に現在は欧州が回復傾向にありますので、今の路線規模を維持し、さらに成長させていくためには「座席の力」だけでは不十分と考えられます。

 なお、2位はミキ・ツーリストとエイチ・アイ・エス(HIS)の棲み分けについて、ミキ・ツーリストの持株会社であるグループミキホールディングス(ミキグループ)CEOの檀原徹典氏にお話しをお聞きしした記事が入りました。手前味噌ながら業界誌らしい取材をタイムリーにできたと感じており、実際に通常であれば圧倒的に1位になるほど多くの方にお読みいただくことができ、大変嬉しく思っております。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2017年05月13日0時~05月19日15時)
第1位
カンボジア、20年に日本人35万人へ-全日空、羽田線開設に意欲(17/05/14)

第2位
ミキ、HIS子会社化後も「中立」維持-ネット販売で合弁会社検討(17/05/16)

第3位
現地レポート:ソウル、ロッテワールドタワー開業-観光に新たな流れも(17/05/17)

第4位
旅工房、16年度は過去最高益、17年度も増収増益へ(17/05/14)

第5位
ガルーダ傘下LCC、福岡発チャーターは満席、18年に定期便化へ(17/05/16)

第6位
JATA、新たに9社が正会員に、16社退会-5月11日付(17/05/16)

第7位
KNT-CT、再編後のホリデイはクラツー造成も-上期好調 (17/05/15)

第8位
JTB、るるぶトラベルの「なりすましメール」で注意喚起(17/05/16)

第9位
JTB、「ユナイテッドホリディ」刷新、WV造成でサービス強化(17/05/18)

第10位
IACEトラベル、豊田営業所を開設、全国で4軒目(17/05/15)


※除外した記事(本来は10位以内にランクイン)
 ◆人事、JTBグループ会社役員-ジェイアイ社長に新保氏(17/05/18)