JATA、韓国緊急フォーラムを開催-アウト促進協が本格始動

  • 2017年3月5日

▽地方送客や単価底上げなどが課題、深掘りやテーマで商品強化へ

パネリストの3氏。左からKTOの申氏、日本旅行の高橋氏、エヌオーイーの松浦氏  パネルディスカッションには、韓国観光公社(KTO)東京支社長の申相龍(シン・サンヨン)氏、日本旅行執行役員海外旅行事業部長の高橋正浩氏、エヌオーイー東京支店スカイツアー東京営業部課長の松浦真一氏の3氏が登壇。申氏は地方送客やそのための観光資源の発掘などの重要性について語るとともに、一例として全羅北道の観光の魅力をアピール。年間の日本人旅行者数については「早く300万人に戻したい」と述べ、参加者に協力を求めた。

 高橋氏は「近年は台湾など他のデスティネーションの開拓に注力していたこともあり、韓国に対する取り組みが弱くなっていたのは否めない」と振り返った上で、減少した女性旅行者や教育団体などの回復に努める考えを説明。また、韓国旅行については価格訴求型商品が市場に溢れるなか、今後は商品単価の底上げにも取り組みたいとした。

 松浦氏も地方送客の重要性を強調。「15年のMERSの問題以降、本格的に目を向けないといけないと感じた」と振り返るとともに、平昌冬季五輪が予定されている江原道などの商品開発を進めてきたことを紹介した。また、韓国国内の交通インフラの整備が進んでいることを追い風に、引き続き商品造成に努める考えを示した。

フォーラム終了後には来日したサプライヤーとの商談会も開催した  この日はそのほか、KTOがソウルなどの「深掘りモデルコース」や、「異色体験」「国際イベント」などに焦点を絞った「テーマ旅行コース」を提案。ハンナラ旅行は豪華観光列車の「ヘラン」の魅力を紹介し、「必ず満足できるコンテンツになる」と推薦した。

 JATAはフォーラムの終了時に、韓国旅行に対する今後の取り組みについて説明。4月には機関誌「じゃたこみ」の別冊として「韓国特集号」を制作すること、5月には昨年の12月に続くファムツアーを実施することなどを発表した。そのほか各種の会議により、韓国側関係者との連携も引き続き強化する考えを示した。