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海外旅行業況、16年3Qは5ポイント増-北欧や豪州など好調

  • 2016年9月15日

 日本旅行業協会(JATA)が8月8日から29日にかけて会員532社を対象に実施した旅行市場動向調査で、2016年7月から9月までの3ヶ月間の海外旅行のDI値(※)はマイナス35ポイントとなり、前期(4月から6月)から5ポイント増加した。旅行会社からは、テロの影響などでヨーロッパが引き続き低調だが、「北欧やオーストラリア、ニュージーランドなど、自然を旅の目的とする方面が比較的好調」などの声が挙がっている。また、ハワイが堅調に推移しているほか、昨年の中東呼吸器症候群(MERS)の流行の反動で韓国が好調だという。

 業態別では「ネット系旅行会社」が17ポイント増のマイナス33ポイント、「インハウス」が15ポイント増のマイナス25ポイント、「総合旅行会社」が14ポイント増のマイナス49ポイント、「リテーラー2」が6ポイント増のマイナス33ポイント、「海外旅行ホールセラー」が4ポイント増のマイナス44ポイントでいずれも上昇。一方「海外旅行系旅行会社」は21ポイント減のマイナス27ポイント、「リテーラー1」は2ポイント減のマイナス40ポイントでともに減少した。

 方面別で見ると、ヨーロッパが7ポイント減のマイナス71ポイント、アメリカ・カナダが1ポイント減のマイナス25ポイントと減少したものの、その他の方面はすべて増加した。最も成長したのはオセアニアで11ポイント増のマイナス13。以下は、アジアが6ポイント増のマイナス2ポイント、韓国も6ポイント増のマイナス46ポイント、中国が3ポイント増のマイナス58ポインなどとなった。

 顧客層別では、教育旅行を除く学生が11ポイント増のマイナス48ポイントと2桁増。このほか、ファミリーが9ポイント増のマイナス33ポイント、教育旅行が6ポイント増のマイナス33ポイント、OLが6ポイント増のマイナス41ポイントなどとなった。一方、「商用・視察」は6ポイント減のマイナス20ポイント、一人旅は5ポイント減のマイナス39ポイント、インセンティブは4ポイント減のマイナス33ポイント、ハネムーンは2ポイント減のマイナス39ポイントとなった。

※DI値は設問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」の4項目を用意し、集まった回答を数値化したもの。回答数から「取り扱っていない」と回答したものを除いた数を母数として、各回答のシェアを算出し、「良い」の割合から「悪い」の割合を引いて、景気動向指数に加工している。

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