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Tablet Hotels、日本人ユーザー倍増へ、「まずは知名度向上」

  • 2016年9月6日

ヴェルヌ氏  このほど来日したTablet Hotels最高経営責任者(CEO)のローラン・ヴェルヌ氏は本誌の取材に応え、日本市場での活動を本格化させる考えを示した。同社はニューヨークに本社を置き、高級ホテルやブティックホテルなどを専門に取り扱う同名の宿泊予約サイトを運営。現在の宿泊施設数は約2000軒に拡大し、約100万人のユーザーを有しているが、日本人の割合は「アジアでは最も多いが、全体の5%に満たない」ことから、「伸びしろのある市場」として注力をはかるという。今後はマーケティングにも力を入れ、1年後には現在のユーザー数を2倍に引き上げる考え。

 2000年に創立後、02年にウェブサイトをオープンした同社は、現在は日本語を含む8ヶ国語でサービスを提供。しかしこれまでの事業活動についてヴェルヌ氏は「主に口コミでユーザーを獲得し、日本に限らずマーケティングには多くの予算を投じてこなかった」と振り返り、その上で今後の展開については「改良を重ねてウェブサイトも進化してきたこの機を活かして、新たなユーザーを取り込みたい」と意欲を示した。今年は創業して以来、初めてとなる増資も検討しているという。


Tablet Hotelsのロゴ
 同社のメインユーザーは富裕層のFITで、平均年齢は41歳、平均宿泊単価は3万5000円、年間の平均渡航回数は3回以上。日本市場においても傾向は同じだが、日本人はほぼすべてが海外のホテルを予約しているという。ヴェルヌ氏は日本市場における目標として「まずは知名度を向上させる」と強調。まずはインターネット上での広告展開などにより、ユーザーの取り込みをはかる考えを示した。日本での競合相手については「大手のOTAグループや一休の海外宿泊予約部門などを含めて、すべての宿泊予約サイトがライバル」と語った。

 ユーザー数に関するその他の目標としては「非会員のメンバーに比べて予約数が4倍近い」という有料会員制サービス「Tablet Plus」の全世界における会員数を、来年5月には現在の約8500人から1万5000人にまで拡大する考えを示した。ヴェルヌ氏によれば、同サービスについてはこれまで年間195米ドルを徴収して客室のアップグレードなどの特典を提供していたが、このほど料金をほぼ半額の99米ドルに引き下げたことにより、会員数は直近の2ヶ月で2割増加。今後の収益の牽引力として大いに期待できるという。

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