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クラツー、東北大と認知症予防で共同研究、旅行の効能探る

  • 2016年7月7日

 クラブツーリズムと東北大学の加齢医学研究所はこのほど、「旅行が脳にもたらす健康作用」について共同研究を開始した。同研究所が取り組む「生涯健康脳」の研究の一環として、旅行と認知症の予防・抑制の相関関係を調査する。クラブツーリズムは顧客の約65%を60歳以上が占めるため、旅行が認知機能に及ぼす好影響などを科学的に解明することで、より良い商品やサービスの提供をはかるという。

 両者は今後3年間にわたり、「旅行に行く頻度の高い高齢者は主観的幸福感やストレス対処能力が高く、認知機能が保たれている」「旅行の前後で脳に変化があり、主観的幸福感は向上、認知機能は低下抑制が見られる」などの仮説を検証する。研究対象は60歳以上の日本人で、脳MRIや認知機能検査、心理検査などをおこなうほか、生活や旅行に関する情報などを集めて分析する。また、クラブツーリズムのツアー参加者を対象に、ツアー参加前と参加後の認知機能検査や主観的幸福感の調査をおこなう。

 両者は事前調査として5月に、60歳以上の男女45名を対象にアンケート調査を実施。「旅行頻度」と「個人の主観的幸福感」の関連を調べることが目的で、クラブツーリズムのツアーへの参加頻度をもとに「高頻度群」「低頻度群」に分類し、主観的幸福感を比較した。

 その結果、過去5年間の旅行回数が多いほど、人生に対する『失望感』が低い傾向が見られたという。両者はこのことについて「旅行が認知症の予防・抑制に効果的であるという可能性に期待が持てる結果」とコメントしている。