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ランデヴー・フランス、日本市場の回復に期待、地方を訴求

  • 2016年4月21日

JATAとの関係強化で日本市場再生へ
仏文化や地方の観光素材をアピール

フランス文化に焦点を当てたピーアールを展開
警戒レベルは「依然として最高」

パリ=イル・ド・フランス地方観光局のナヴァロ氏  フランス観光開発機構によると、14年にフランスを訪れた海外からの旅行者は8380万人。パリ=イル・ド・フランス地方観光局局長のフランソワ・ナヴァロ氏によれば、15年については、パリで同時多発テロが起こった11月には前年から約20%減少したが、中国を中心にアジア人が増加したこともあり、「おおよそ8500万人ほどでは」と見込む。なお、16年1月から3月までの下げ幅は約10%減にとどまっているという。

(左から)パリ観光会議局総裁のシャピラ氏、フランス外務・国際開発大臣付文化推進担当官のダルヴォール氏、パリ=イル・ド・フランス地方観光局局長のナヴァロ氏  こうしたなか、フランス外務・国際開発大臣付文化推進担当官のオリヴィエ・ポワーヴル・ダルヴォール氏は「フランスの文化には経済的な価値がある」と述べ、世界的な観光振興策の1つとして「グランド・ツアー」を発表。食、芸術、音楽や映画など、フランスの多様な文化に焦点を当てた観光ピーアール活動で、今年の1月から7月までにフランス各地で開催される主要な文化イベントを「パスポート」と称する冊子にまとめ、世界に向けて発信していく。各市場の反応を見た上で、さらに次の対応を考えていく予定だ。

 日本市場では3月にベルギーで発生したテロ事件の影響で、「再び不安を感じた消費者もいる」という声が旅行会社から複数挙がっている。これに対し、パリ観光会議局総裁のピエール・シャピラ氏とナヴァロ氏は、それぞれ日本の消費者が感じる不安に理解を示した上で、「パリの警戒レベルは依然として最高レベルを維持し、観光客の安全を守るよう取り組んでいる」と語った。さらにナヴァロ氏は「日本市場は我々にとって非常にプライオリティの高い重要な市場。JATAと協力しながら、5月に日本でおこなわれるワークショップに参加するなど、パリおよびイル・ド・フランス地方の需要喚起に努めたい」と話した。