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週間ランキング、熊本で地震発生、旅行者対応リードを

[総評] 今週の1位は、新経済連盟による訪日外国人1億人をテーマとしたパネルディスカッションについてお伝えした記事で、本来であればこの輝かしい未来の可能性について書くはずでしたが、4月14日夜に熊本で震度7の地震が発生し大きな被害が出ているところで、とてもそのような場合ではありません。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。

 東日本大震災から5年と少しで、報道の映像を観ていると当時の記憶が鮮明に蘇ってきます。津波が発生せず火災もほとんどないことは不幸中の幸いですが、いつでも人の命を奪うような天災が起き得るということを改めて思い知らされます。

 また、熊本や九州を旅行中の方も多いはずで、旅行業界としてはその安全と安心を確保しなければなりません。特に訪日旅行者は地震を一度も経験したことのない方も多くいらっしゃるわけで、しっかりとご安心していただけるようにすることは今後のさらなる誘客を考える上で必須です。

 現在の影響はトラベルビジョンとしても取材中ですが、これからの旅行を躊躇する方も当然いらっしゃるでしょう。猫も杓子も「インバウンド」に目を向け、感覚的には旅行業界が置き去りになってしまっている印象すらあるものの、こうした危機への対処こそプロの腕の見せ所です。

 それにしても、フランスやベルギーでのテロに際しても書いた通り、こうした事態が起きる度に観光業の不安定さに対して無力感を感じます。しかし、2011年に前年から3割近く落ち込んで622万人となった訪日外国人がその5年後には1970万人を上回った通り、外的要因の影響は受けやすくとも回復力が強いことは間違いありません。

 アウトバウンドでは、日本市場は海外の関係者から「レジリアント(resilient)」と評価される場面が多いのですが、この言葉はまさに回復力があることを意味しています。もちろん、災害の発生直後であり、被災地や被害にあわれた方々に物理的・心理的距離が近いほど「それどころではない」と思われるでしょう。

 しかしそうであればこそ、今回は影響を受けなかった身として、そして旅行業界誌として、日本の「レジリアント」な側面に焦点を当て、読者の皆様に自信を持って復旧と再度の成長をリードしていただきたく、また少しでもそのお役に立ちたいと願っております。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年04月08日0時~04月15日13時)
第1位
訪日1億人に向け星野氏、楽天山本氏ら議論-新経連サミット(16/04/10)

第2位
富裕層取込の鍵は「パーソナライズ」されたサービスに-ILTM Japan(16/04/12)

第3位
全日空、ブリュッセル線再開、旅行会社もツアー実施(16/04/11)

第4位
豪州、MICEにも食と海、アデレードとメルボルンの魅力(16/04/10)

第5位
ニュージーランド航空、100円追加でスカイカウチ提供(16/04/10)

第6位
JTB、夏の「わいわいファミリー」発売、ルックとエースで (16/04/10)

第7位
HIS、旅行積立10周年でキャンペーン、年利最大5倍超に(16/04/10)

第8位
ハワイ、初の現地商談会「Hawaii Summit」開幕、日本から110名(16/04/13)

第9位
香港ドラゴン、「キャセイドラゴン」新塗装機の運航開始(16/04/11)

第10位
全日空、夏に欧州チャーター14往復、JTBとクラツーが販売(16/04/14)

※除外した記事(本来は10位以内にランクイン)
 ◆週間ランキング、1位は入社式の社長訓示、未来への「挑戦」(16/04/08)
 ◆春闘:東芝ツーリスト、JTBグループ13社(16/04/13)
 ◆春闘:JTBグループ3社(16/04/12)
 ◆春闘:名鉄観光サービス(16/04/11)