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入社式トップ訓示、各社が「挑戦を」-五輪以降見据え

  • 2016年4月3日

JALグループ:1468名参加
代表取締役社長 植木義晴氏

日本航空の入社式。紙飛行機を持っているのはゲストとして登場した元プロ野球選手の松井秀喜氏  我々は2012年に5ヶ年の中期経営計画を策定した。経営破綻後に作った初めての中期経営計画で、これをもとに同年9月には上場を果たすことができた。それから毎年、社員の頑張りによって各年度の目標を達成し、今日からは最終年度が始まる。今年度のJALグループの目標は、経営の3大目標をしっかりと達成した上で、この中計を完遂することだ。5年間を乗り切るということは、社員全員にも大きな自信をもたらすとともに、17年度以降の新しい中計の万全な準備を整えることにもつながる。

 JALグループは現在、計画の推進に向けて真剣に「ダイバーシティ」、すなわち多様性の推進に取り組んでいる。女性の活躍を推進するだけでなく、社員がそれぞれ異なる個性と価値観を持って、それらが真剣にぶつかり合った時、初めて新しいイノベーションが発生すると信じている。皆さんにも、自分がダイバーシティの非常に重要な要素であることを自覚していただきたい。

 今ある皆さんの個性を決して失うことなく、そして勇気をもって信念の表明をしていただきたいと考えている。JALグループは今、「世界一お客さまに選ばれ、愛される航空会社」をめざしている。規模を追うのではなく、売り上げを競うのでもなく、私はお乗りになったお客さまからたった一言「やっぱりJALでなくちゃね」という言葉をいただきたい。

 この夢の達成のために、私は必ず先頭に立ち続けることを約束する。そして私がふと後ろを振り返った時、必ずや皆さんが後ろについてきてくれていると信じている。グループにとっては社員こそが最高の財産だ。夢の実現に向かってともに歩んでいきたい。


ANAグループ:2498名参加
代表取締役社長 片野坂真哉氏

ANAグループ  新入社員の皆さんにはまず、ANAグループでは「安全がすべて」であることを、深く胸に刻み込んで欲しい。我々は「安全は経営の基盤であり社会への責務」という理念を念頭に置いて仕事に臨んでいる。今年度は過去に起こした雫石事故から45年、松山沖事故から50年、羽田沖墜落事故から51年を迎えるが、我々は「二度と悲惨な事故を起こしてはならない」という決意のもと、運航に携わる全職員が弛まぬ努力を続けてきた。これからも全グループ会社の全事業において、お客様の安全と安心を守り続けなければならない。

 それでもなお、突然のトラブルが発生することがある。3月22日には国内線において搭乗手続きや予約ができなくなるトラブルを発生させ、お客様の期待を大きく裏切る事態を引き起こしてしまった。すべての職員が全力で対応と復旧にあたったが、多くのお客様にご迷惑をおかけし、厳しいお叱りをたくさん頂戴した。信頼を回復するため、引き続き全力を挙げていく。

 我々は今年、2020年を見据えた新たな中期経営戦略を策定した。世界中のすべてのお客様を「断トツの品質」でもてなし、グローバルプレゼンスを向上させる。また、環境問題への対応や、観光立国・地方創生など政府の重点政策に貢献することで自らも成長し、企業価値を高めていく。総力を挙げ「お客様満足と価値創造で世界のリーディングエアライングループをめざす」という経営ビジョンを達成する。

 ANAグループでは社員1人1人が輝きながら働き、世界中のお客様を「あんしん・あったか・あかるく元気」におもてなしする。合言葉は「1人ひとりが自己ベストを尽くそう」だ。皆さんの先輩達は厳しい訓練や研修、業務経験を通じてグループに根付く「安全文化」や「断トツの品質」を守り、1人前のプロフェッショナルに成長している。そのような頼もしい先輩達が今日から皆さんを待っている。初心を忘れず、グループの一員であることの誇りと責任をもって、まずは小さな1歩から確実に歩き始めてほしい。