itt TOKYO2024

上期の海外旅行、需要の早期取込に注力-ホールセール特集(1)

  • 2016年3月24日

仕入環境の変化を踏まえ、代金変動型商品が登場
特典強化で早期予約を取込

早期割引とパンフ設定期間の延長でリターンを確実に

ジャルパックの藤田氏  買い取りなどのリスクをリターンに変えるために、各社とも早期予約の取り込みにこれまで以上に力を入れている。その1つが早期割引の拡充で、例えば、JTBWVは「ハワイアン・アイランズ」商品でこれまでの90日前または60日前の予約完了で代金を割引する「早得割引90-60」に加えて、120日前を対象にした「早得割引120」も設定。さらに、90日前までの予約を対象に、人気の高い定番の観光プランを約4000円割り引く特典も提供する。

 ジャルパックはオセアニア商品で、120日前までの予約完了で1名あたり2万円を割り引く特典を新設。東武トップツアーの新しいブランド「Feel」のハワイ商品では、利用航空会社ごとに90日前の予約で割引特典をつけた。

東武トップツアーズの小奈氏  また、需要の早期取込を進めるために、パンフレットの販売設定期間を延長しているホールセール商品も多い。JTBWVでは、主力の「赤パンフレット」で予約が取りにくい年末年始の需要の早期取込を見込み、17年4月まで予約を受け付ける商品も用意したジャルパックでも、「期首商品をしっかり売っていくことが今まで以上に大切になっている」(代表取締役社長の藤田克己氏)との考えから、方面ごとに需要動向に従って設定期間を延長している。

 日本旅行は、価格重視型商品の「イチ押し」シリーズを「春から夏のイチ押し」として、設定期間を従来は4月から7月までだったものを、8月(一部方面は9月)まで延長。東武トップツアーズでは、重点デスティネーションのハワイで、「確保できる座席が減っているなか、早期の取り込みに力を入れる」(海外旅行部海外企画センター長の小奈園江氏)ため、設定期間を四半期から半期に延長した。