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箱根湯本ホテルの元経営会社が特別清算、負債約30億円

  • 2016年2月23日

 神奈川県箱根町の「箱根湯本ホテル」の元経営会社である箱根湯本ホテル株式会社は2月10日、横浜地方裁判所小田原支部から特別清算開始決定を受けた。負債総額は2014年12月期決算時点で29億7669万円。

 同社の設立は1955年12月で、ピーク時の91年12月期には売上高約24億3200万円を上げ、ホテル事業に加えて飲食店経営、パンの製造販売にも乗り出すなど、多角化戦略を推進してきた。しかし、それ以降はバブル崩壊やリーマン・ショックなどの影響から団体客が減少し、売上高も右肩下がりで推移。東日本大震災が発生した2011年12月期の売上高は約11億5000万円にまで減少して赤字決算となり、異業種の民間企業から支援を受けるなど経営再建をめざしたが、業績は回復せず債務超過に陥った。

 その後は金融機関などとの検討のもと、新たなスキームとして会社分割による経営再建策を打ち出し、14年12月は新会社として「株式会社箱根湯本ホテル」を設立。大涌谷周辺の火山活動に伴い噴火警戒レベルが引き上げられていた15年6月に、事業を株式会社箱根湯本ホテルに移し、箱根湯本ホテル株式会社は同年12月に解散して今回の措置となった。「箱根湯本ホテル」の運営は、新会社の株式会社箱根湯本ホテルが継続している。