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新春トップインタビュー:日本旅行業協会会長 田川博己氏

16年は「海外旅行復活」、中韓や若者への取組強化
訪日増踏まえ業界制度改善

-昨年は制度改善に一定の進展が見られましたが、今年の取り組みは

田川 15年は「募集型ペックス約款」と「旅程保証約款」が個別申請で認められるようになり、非常に良かった。しかし取消料規定全体については、まだまだ見直すべき点も多い。

 また、日本人や訪日外国人旅行者が安心・安全に旅行することを海外OTAが保証できるのか、という問題はグレーのまま残った。海外OTAについては、安心・安全についての責任を明確にしてほしい。ダイナミックパッケージツアーの登場で、手配旅行と企画旅行の区別が曖昧になり、問題の本質が見えにくくなっているのではないか。

 海外旅行についての議論は旅行会社の話で終わってしまうが、インバウンドについての議論はすべての産業に関わりを持つ。インバウンドに関するさまざまな規制と、今後は連動していくことになるのでは、と個人的には考えている。問題は責任の所在が明確化するかということ。

 これは民泊の規制緩和のケースと似ている。旅館は旅館業法で規制されているのだから、民泊にも規制がなければイコールフッティングにはならない。平等ではないと、いつか歪みが起こる。


-昨年はパリでのテロ事件もあり、旅行の「安心・安全」にも注目が集まりました

田川 「安心・安全」は大きなテーマであり、昨年は7月1日を「旅の安全の日」と決めた。各社の旅行安全マネジメントの推進はJATAの大きな仕事であり、しっかり取り組んでいきたい。

 「安全」は頑張っても自分たちでは作れない。また、自然災害については、起きてしまえば仕方がない「まな板の上の鯉」だが、鯉は鯉なりに防御しなくてはならない。お客様の安全管理、現地情報の収集と的確な伝達のスピードをどうするかが取り組むべき最大のテーマであると言えるだろう。


-ありがとうございました