カナダ、好調な日本市場、新素材提案で拡大へ―RVC2015レポート(2)

  • 2015年6月18日

路線拡充契機にプロモーション強化
新素材を提案、需要の積み増しはかる

アルバータ、冬のシャンパンパウダースノーをアピール

アルバータ州観光公社市場開発担当ディレクターの小西美砂江氏とアジア担当マーケティング・ディレクターのダーリーン・フェドローシェン氏  アルバータ州観光公社でもカナダシアターでの取り組みに注力。新たに32の旅程を提案した。夏のコースに加えて、「シャンパンパウダースノー」をアピールしながら、スキー、スノーシュー、アイスウォークなど冬のアクティビティの訴求も強めていく。

 また、他州と同様に関西市場へのアプローチも強化。6月末には、バンフ・レイクルイーズ観光局、カルガリー観光局と共同で、東京に加え大阪へもセールスミッションを送った。市場開発担当ディレクターの小西美砂江氏はバンクーバー以遠の需要を取り込むために「BC州観光局との共同プロモーションも展開していきたい」と意欲を示した。

 このほか、FIT向けのアプローチとしてソーシャルメディアによる発信にも引き続き力を入れていく。現在、アルバータソーシャルメディア観光大使のブロガー、コグレマサト氏による情報発信も継続中。同氏のFacebookで展開したアルバータの旅記事では「いいね」が5000に達するなど大きい反響を得ているという。


ケベック、35歳から60歳女性をターゲットに新プログラム

ケベック州観光局マーケット・アドバイザーのロック・パケット氏(右)とメディア担当マネージャーのバード・ノードビー氏  ケベック州観光局では、秋のメープル街道などの定番に加え「日本マーケット向けに特別プログラムを提案する」(同観光局マーケット・アドバイザーのロック・パケット氏)。35歳から60歳の女性をターゲットに、現地滞在日数を伸ばすためさまざまな素材を提案していく考えだ。

 例えば、ケベック州はフランス語圏であることから午前にフランス語のレッスン、午後にフランス料理教室、ワインテイスティング、スパ、マッシュルーム摘み、ハイキング、フィッシングなどのアクティビティを組み込んだツアーを提案。すべて日本語ガイドによるサポートをつける計画だ。


PEI、参加型食旅を訴求、新たにフライ&ドライブも

PEI州政府観光局日本代表の高橋由香氏とロバート・ファーガソン氏  昨年のプリンスエドワード島(PEI)への日本人旅行者数は前年の約2倍になり、およそ1万人が訪問。実数は少ないものの、伸び率は他州を圧倒した。「やはり『花子とアン』の効果が大きい。特に6月はキャンペーン効果や商品の増加もあり大きな伸びとなった」とPEI州政府観光局日本代表の高橋由香氏は振り返った。

 今年については、「カナダシアターと連動しながら、旅行会社と腰を据えていい商品を育てていく」と高橋氏。女性のFITも増えていることから、ソーシャルメディアの力も借りながら露出を高めていきたい考えだ。素材としては「食旅」に焦点を当て、クッキングスクールや収穫体験などを組み込んだ参加型の地産地消の旅を提案していく。

 現在、現地滞在日数の平均はホールセール商品で2泊から3泊、FITで4泊から5泊。高橋氏は滞在日数を伸ばすため「新たにフライ&ドライブの取り組みも始めたい」と意欲を示した。