チリ、日本市場へのアプローチ強化、多様性訴求し訪問者増へ

  • 2015年4月1日

アジア太平洋地区マネージャーのパブロ・ハビエル・レタマル氏 チリ観光プロモーション機構は3月30日、日本の旅行会社と報道関係者向けに「チリ観光セミナー」を開催した。同国の観光資源についてプレゼンテーションをおこなったアジア太平洋地区マネージャーのパブロ・ハビエル・レタマル氏は、南北に細長い同国には北部のアタカマ砂漠から南部のパタゴニアの氷河まで、多様な自然環境があることを強調。加えて、モアイ像で有名なイースター島もチリ領であることなどを説明し、「チリはコントラストの感じられる国」と述べ、観光地としての可能性をアピールした。

 日本からのアクセスについては、地球のほぼ裏側に位置することから「必ずしも便利とはいえない」としたものの、北米経由に加えてオーストラリア経由やニュージーランド経由などの選択肢もあることを説明。そのほか、首都のサンティアゴなどをはじめとする都市部では、MICE誘致のためのインフラも整備されていることをアピールし、「よりユニークな褒賞旅行などのデスティネーション」として検討対象に加えることを提案した。

 レタマル氏によれば、昨年にチリを訪れた日本人旅行者は前年比約2.8%増の1万5053人で、過去最高を記録した2012年の1万5059人と同水準。ただし近年は、増加傾向にあるとはいえ1年おきに微増と微減を繰り返していることから、今後は日本の旅行会社やマスメディアなどとの関係を強化し、安定成長をめざす考えを示した。

 2015年の日本人訪問者数の目標については「前年からの増加」を掲げ、まずは日本市場における認知度の向上に努める。なお、全世界からの旅行者数は2010年の時点で280万人程度だったものの、2014年には約367万人まで増加。「5年連続で堅調な成長を続けている」という。

この日のセミナーでは、イースター島での在住経験もある写真家の野村哲也氏が講演を実施。チリ全土の自然の美しさについて熱弁をふるった 同機構は昨年11月にも日本でセミナーを実施。レタマル氏によれば、当時は販促ツールなどは外国語によるものがほとんどだったが、現在は日本の旅行業界との関係強化をはかるべく、日本語へのローカライズを進めているとした。なお、ペルーなどの周辺諸国に比べて観光プロモーションに対する予算は少ないため、日本事務所を開設する予定はないものの、今後も年1回程度のペースでセミナーや商談の機会を設ける考えを示した。