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14年航空輸送は5.9%増、新興市場好調-IATA調査

  • 2015年3月5日
総旅客需要動向(IATA資料より)

 国際航空運送協会(IATA)が取りまとめた2014年の航空輸送実績で、世界中の航空会社が1年間で運んだ有償旅客数に飛行距離を乗じた有償旅客キロ(RPK)は前年比5.9%増となった。提供座席数と距離を乗じる有効座席キロ(ASK)は5.6%増で、ロードファクターは0.2ポイント増の79.7%となった。

 ASKとRPKは、ASKが航空会社の商材である「輸送」の生産量で、RPKは販売量を意味すると同時に、結果として旅客需要も表す。また、RPKをASKで除すると、有償旅客による座席利用率であるロードファクターを求めることが可能だ。

 2014年のRPKは、全体では5.9%であったが国際線が6.1%増、国内線が5.4%増で、国際線がより強く伸びている。一方ASKとロードファクターを見ると、国際線はASKが6.4%増とRPKの伸びを上回り、ロードファクターは0.1ポイント減の79.2%。これに対して国内線は、ASKが4.3%増で、ロードファクターは0.7ポイント増の80.6%と8割を超えている。

 IATAによると、全体としてRPKの伸びの半分以上がアジア太平洋や中東など新興市場で起きているといい、中東では好調な貿易が業務渡航を増加させているとの分析。また、アジア太平洋では国内線、特に中国市場が牽引しており、この傾向は年の後半にかけて強まっているという。

 IATA事務総長兼CEOのトニー・タイラー氏は、2014年の旅客需要について「順調に推移した。RPKの5.9%の伸びは、好調だった過去10年の平均成長率を上回っている」と評価。タイラー氏によると総旅客数は33億人で、2013年を約1700万人ほど上回っった。

 ただし、タイラー氏は今後も航空旅客が増加していくことは間違いないとしつつ、この数ヶ月の兆候として国際線需要の伸びが鈍化する可能性も指摘している。

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