トップインタビュー:UA太平洋地区営業担当支社長 マット・ミラー氏

UA初の羽田線、アクセス利便が鍵
成田の際際ハブは維持、行政に要望も

-ロードファクターなど目標数値を教えてください

ミラー 予想としてはかなり良いと思う。成田から羽田に移す際に機材を小型化するため、座席供給量はわずかに減少するが、これに対して需要は非常に大きい。もともと成田をご利用いただいている顧客に加えて、現在は他社の羽田/米国線を利用されている方々のシフトもあるだろう。具体的な数字はまだわからないが、現在の日本/サンフランシスコ線は好調であり、就航後も同様に好調に推移すると思う。


-後発ゆえに認知度が低いかと思いますが、プロモーションはどのようにおこなっていくのでしょうか

 日本では旅行会社と非常に良好な関係を構築しており、旅行会社の皆様はすでに羽田発着の国際線を良く理解されている。また、すでに羽田から米国へ行くことができることをご存知の旅行者もいる。そのため、我々の羽田就航が遅れたことは逆に良かったのではないかと思う。

 一方で米国発の顧客に対しては、都心への近さ、空港からの移動にかかる費用の安さなど、羽田の利便性の高さを伝えていきたい。


-羽田昼便の可能性やご意欲についてお教えください

ミラー 可能性については2ヶ国間の交渉の問題であり分からないが、すべての航空会社に平等に機会が与えられるよう望んでいる。ただ、我々にとっては公共交通機関にアクセスできる時間帯に運航でき、他社に対する競争力が確保できるのであれば現在の深夜早朝枠でも十分満足できる。羽田と現地の両空港で出発、到着ともにアクセス利便性が高ければ問題ない。

 もちろん、全ての航空会社が全便を羽田で運航できるようになれば、都心からも近いことから、それを望む航空会社が多いと思う。しかし現実には今後20年、あるいはそれ以上たってもそのようなことは起こらないだろう。他の航空会社がハブ空港を移したいと主張したとしてもその実現の可能性は低く、単なる望みであり夢だ。私達は現実的に、成田が東京で最大の際際ハブであることに焦点を当てる。

 一方で、米国と日本の2ヶ国協議と同じくらい、日本国内で成田と羽田をどのように捉えるかについて議論する必要があると思う。成田と羽田は明らかに競合関係にある。私からすれば、この問題が解決することの方が重要だ。日本が成田と羽田の役割をきちんと理解した時点で、米国と日本は同じ意見になると思う。