MSCクルーズ、初のアジア寄港クルーズ-新造船4隻発注も

  • 2014年9月2日

MSCクルーズジャパンマネージングディレクターのオリビエロ・モレリ氏  MSCクルーズは、このほど開催した創立5周年記念のメディア向けカンファレンスとパーティーで、2015年に初のアジア寄港クルーズ「グランドボヤージュ」を実施すると発表した。同クルーズはドバイを出発し、ムンバイ、プーケット、ランカウイ島、シンガポール、ケアンズなどを経由しパースに到着。実施日は2015年2月21日から3月26日の33泊で、8ヶ国13ヶ所の港に寄港する。

 グランドボヤージュでは、乗客定員2550名、乗務員数約1054名のMSCオーケストラを使用。日本でも販売する予定で、MSCクルーズジャパンマネージングディレクターのオリビエロ・モレリ氏は「日本人利用者は約200名を見込んでいる」と語った。

 また、モレリ氏は、2015年の送客数について、前年比50%増をめざす考えを示した。アジア寄港クルーズの販売に加え、5周年を記念し日本語のロゴを作成。ビュッフェレストランで日本食の提供を開始しており、日本人が利用しやすい環境を作ることで送客増につなげていく。

 同氏によると、MSCクルーズジャパンは創立した2009年から2013年までの5年間で、日本からの送客数が3.6倍に伸長。また、2013年の日本から地中海クルーズへの送客総数のうち、MSCクルーズによる送客は全体の約44%を占めるという。

 さらに、パーティーでは新造船4隻の発注や、現在実施中であるリリカクラス4隻の改装「ルネサンスプロジェクト」について説明がなされた。新造船については、フランスとイタリアの造船会社にそれぞれ2隻、計4隻を発注。総トン数16万7600トン、キャビン数2250室、乗客定員5700名の2隻を2017年と2019年に、総トン数15万4000トン、キャビン数2070室、乗客定員5300名の2隻を2017年と2018年に受納する予定だ。

MSCクルーズジャパントレードマネージャーの区詳誠氏  一方、「ルネサンスプロジェクト」では、MSCアルモニア、MSCリリカ、MSCシンフォニア、MSCオペラの計4隻を改装する。総トン数を約6万トンから約6万5000トンに拡大するほか、内装を刷新し新たにキャビンにバルコニーを設ける。MSCクルーズジャパントレードマネージャーの区詳誠氏は「日本人利用者はバルコニーを好む人が多い」とし、「新設することで日本人の取り込みをはかりたい」と意欲を示した。

 改装は、MSCアルモニアが2014年11月17日に終了予定。残り3隻は2015年に終了する見込みで、MSCシンフォニアが3月16日、MSCリリカが11月9日、MSCオペラが7月4日を予定している。