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JATA、訪日2000万人に向け提言-地域分散などに助成要望

  • 2014年5月14日

▽課題達成に向けた6つの検討項目も提言-JATA、対応部会で検討継続

 また、課題達成のために必要な施策検討項目として「地域空港に直接イン・アウトするグループ客需要の誘発」「FIT旅行者の地域訪問促進に向けたプロダクト開発促進」「民間における訪日旅行受入のための人材投資」「MICEにおける MeetingとIncentiveの誘客強化」「教育旅行を中心とした国際交流の促進」「ツアーオペレーター品質認証制度の活用促進」を掲げた。

 このうち地域空港のグループ客需要については、需要の地域分散のための商品開発への公的助成制度の強化や、地方空港などにおけるCIQの対応能力の拡充に関する検討が必要になると指摘。FIT旅行者の地域訪問促進に向けては、海外での広告宣伝や、公共交通機関の利用促進に向けたスマートフォンアプリなど情報インフラの充実のほか、個人参加の可能な着地型商品の開発や流通のための施策が必要になるとした。着地型商品の開発について、国内・訪日旅行推進部長の興津泰則氏は5月14日の定例会見で「インバウンドだけでなく、国内旅行需要に関しても大変な重要な課題だ」と強調した。

 民間での人材投資については、通訳案内士制度の拡充や補完する資格の創設、積極的な投資をおこなう事業者への助成制度の導入、海外からの人材受け入れを想定した特例ビザ導入や訓練プログラムの支援などに対する、国や公的機関の積極的な支援を求めた。昨年創設した「ツアーオペレーター品質認証制度」については、業界として認証会社の拡充に引き続き努めていく。さらに、制度認証会社に対し、教育旅行や助成制度の優先的な利用を進める考えだ。

 MICEについては、現在はコンベンション誘致への偏重が見られるものの、今後は特にミーティングとインセンティブを有望なマーケットとして推進する必要があると指摘。プロモーションや施設の拡充の強化を提言した。越智氏によれば、今後特にインセンティブに注力していきたいという考えについては、観光庁から「非常に共感していただけた」という。また、教育旅行需要については、インバウンドの地域分散も進める重要な分野と考え、学校教育をもとにした国際交流促進スキームの拡充を求める考え。

 なお、JATAでは提言書の作成にあたり、訪日旅行推進委員会の中に「2000万人受入対応部会」を設置。同部会は当初は有期限の部会として設置されたものの、今後も業界側の対応について議論を続けるため、引き続き設置することが決定したという。