日本航空、14年度は「準備の年」、座席やサービスさらに強化

  • 2014年3月26日
新シートを搭載したB767型機「SKY SUITE 767」※クリックでフォトニュースに移動

 日本航空(JL)は2014年度を「新たな成長に向けた準備をする期間」と位置付け、需要を確実に取り込むとともにプロダクトやサービスの改善を積極的に進めていく。3月26日の定例記者会見で発表した「2012~2016年度JALグループ中期経営計画ローリングプラン2014」に盛り込んだ。

 ローリングプランは、経営破綻以前のJLが計画作成のみを重視して実行状況や達成度の分析などをせずに経営を進めていたとの反省のもと、経過した期間の振り返りと以降の方針を再確認することを目的として策定したもの。

 JL代表取締役社長の植木義晴氏は、2013年度の振り返りとして、ボーイングB787型機の運航停止や急激な円安など厳しい経営環境が継続したものの、新シートなどプロダクト刷新、サービスや生産性の向上などによって営業利益率が目標の10%を上回り、自己資本比率も50%を超える見込みと評価。

 しかし、2年連続での増収減益となり増収増益の「成長」には至らず、さらに2014年度は円安だけでなく消費増税による需要への影響が懸念されるとともに、羽田空港の国際線が大幅に増加して競争が激化する中で全日空(NH)よりも少ない発着枠で勝負しなければならないことから、「今まで以上に厳しい環境」を想定する。

 こうした中で「成長」に向けた取り組みとして、既存路線と新たに就航する深夜早朝枠の羽田/ホーチミン線、増便する成田/ニューヨーク線などで確実に収益を確保することに加え、他社の羽田発着路線と競合する成田発着路線で「お客様が常に新鮮な感動を得られるような商品、サービス」を提供していく方針。

 特に、2014年度は供給が需要を大きく上回る状況だが、2015年度から2016年度には需要も拡大すると予想できることから、その時点で旅行者から評価を得られるよう「フルサービスキャリアとしての事業に専念し、商品、サービスの向上に努める」という。

 プロダクトの刷新は「SKY SUITE 777」や機内インターネットサービスなどで継続してきているが、すでにその効果は「本当にいい形」で出てきているといい、今後も「スピード感を持って開発に挑戦していく」考え。

 2014年度にはボーイングB787型機のビジネスクラスでもフルフラットシートの導入を進め、東南アジア線やホノルル線の全機材でフルフラットまたはシェルフラットシートを提供できるようにする。機内インターネットも、従来のB777-300ER型機に加え、B767-300ER型機、B777-200ER型機、787型機に拡大していく。

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