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ANA、16年度までに国際線45%増、国内線上回る-中期経営戦略

  • 2014年2月16日

▽成田も15年度以降に強化、スターA以外の提携先模索も-LCCは16年度黒字化へ

 成田空港についても、2015年度の増枠以降はハブとして拡大し、スターアライアンスやジョイントベンチャー(共同事業)を効果的に活用して販売。訪日需要、アジア/北米間の需要を獲得して国際線全体の成長に寄与していく。他社との提携では、アライアンスのみに固執せず、すでに発表済みのガルーダ・インドネシア航空(GA)のように2社間の協力関係を拡充していく。

 さらに、FSCとしてサービスやプロダクトによる差別化を推進。長距離路線用のボーイングB777-300ER型機19機について、2014年度中にビジネスクラスのフルフラット化を完了。中距離路線も機材品質やサービスの向上に取り組む。B787-9型機の国際線仕様機も、2014年度末の初号機受納を皮切りとして投入路線を段階的に増やしていく。

 国内線では、競争環境の激化に対して新たな収入源として訪日外国人旅行者による利用を促進。地方発着の羽田経由国際線需要も喚起する。訪日外国人については、国際線区間を含めて海外地点での販売を強化することで為替リスクも抑制する。

 また、中型機、小型機を最大限活用して需給適合をおこなうほか、小型機についてはANA WINGSへの移管スピードを加速するなどし、低コストでの運航体制を追求する。

 LCC事業については、日本を含め東アジアを主戦場としてLCC市場を創出し、早期に収益事業としての基盤を確立する。バニラエア(JW)は2013年度末に6機の機材を、2014年度末は8機、2015年度末は10機と増加。香港やミクロネシアなどへの就航を検討する。ピーチ・アビエーション(MM)は、関西圏の成功をベースとしてネットワークを更に拡充して事業基盤を強化する。

 このほか、航空事業以外でも、多角化事業におけるANAグループとしての事業ポートフォリオの最適化や、航空関連事業での戦略的な投資も推進。さらに、2011年度から2014年度までで860億円に達する見込みのコスト削減も、2015年度と2016年度で新たに500億円を削減。これにより、燃油費用を除くユニットコストを2011年度比で1.5円引き下げ、8円台の半ばをめざす。

 こうした取り組みによる経営目標として、2013年度見通しでは1兆5800億円の営業収入を2016年度には1兆8500億円とし、同様に営業利益を600億円から1300億円に拡大。営業利益率は3.8%から7.0%に引き上げたい考えだ。