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年末年始の海外旅行、過去最高の69.5万人見込む-JTB調査

  • 2013年12月4日

▽国内旅行、旅行日数は2極化-子ども連れ旅行など増加

 国内旅行では、旅行日数が二極化する傾向が見られた。アンケートによると、1泊2日は1.1ポイント増の33.8%、3泊以上は4.2ポイント増の43.0%となった一方、2泊3日は4.1ポイント減の23.2%。JTBでは日並びの良さを利用した長期間の旅行を計画するタイプと、三が日前後に短期間の旅行をするタイプの両方が増えているとの考えだ。

 方面別では、世界遺産に登録された富士山周辺への旅行者が増加。夏は登山を含めた富士山麓エリアが多かったが、冬は三保の松原や河口湖周辺など、富士山の雪景色の全景が鑑賞できる広域エリアが増加傾向にあるという。また、観光列車が数多く走る九州や、LCCの就航で地方都市からの路線が増えた大阪も人気が高まっており、ユニバーサルスタジオジャパンへのツアーも好調に推移。東京ディズニーリゾートや東京駅舎周辺、東京スカイツリーなど東京周辺も引き続き人気が高い。

 出発日のピークは、海外旅行が12月28日で、12月29日から年明けまで出国ラッシュが続く。ルックJTBの予約状況では、長距離方面はクリスマス前の3連休を利用して12月25日前に出発する動きもある。近距離は年明けの1月2日や4日の出発も多い見込み。一方、国内旅行は12月31日発が最も多く、次いで12月28日、12月30日と1月2日と続いた。例年よりピークは分散傾向にあるという。

 年代別の出発日では、29歳以下の若い世代は早めに、熟年世代は年明けに出発する傾向が見られた。若い世代の友人同士の旅行や、12月20日が終業式の学校も多いことから、就学児のいる家族旅行を中心に活発化しているとの見方だ。帰国日のピークは海外、国内とも1月3日から5日の予想。

 旅行の同行者は、アンケートで見ると「子供連れ(中学生まで)」が7.2ポイント増の44.3%と最も多く、「夫婦のみ」が3.0ポイント増の13.3%、家族と友人・知人が0.1ポイント増の7.6%と増加。一方、「それ以外(母娘、三世代など)」が3.3ポイント減の15.2%、「友人・知人」は3.3ポイント減の8.2%、「団体(職場など)」が0.6ポイント減の0.0%となった。一人旅は前年並みの10.1%だった。

 旅行の目的では、「家族や友人と一緒に過ごす」が15.7ポイント減の24.7%、「この時期でしか一緒に旅行できない」も1.1ポイント減の13.3%と減少。それ以外の項目は増加した。最も多かったのは「毎年恒例なので」(4.9ポイント増、53.2%)。伸び率が高かったのは「正月情緒を味わう」(5.3ポイント増、13.3%)、「おいしいものを食べる」(5.1ポイント増、12.0%)だった。

 この他、アンケートでは「収入増で今年は旅行に行く」という回答が1.1ポイント増の4.2%と増加。特に29歳以下で増えており、JTBではアベノミクス効果による収入増が若者の旅行を後押ししていると見ている。

 なお、調査は10月31日から11月16日に、全国200地点で15歳以上79歳までの男女1200名に実施。航空会社の予約状況、業界動向、JTBグループの販売状況も踏まえて推計した。年末年始の動向調査は今年で45回目となる。