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HIS、5年でクルーズ25万人めざす-チャーター活用、店頭強化

  • 2013年7月17日

(左から)クルーズプラネット代表取締役社長の小林敦氏、HIS常務取締役東日本地区営業総括の高木潔氏、同社関東ツアー事業部部長の瀬川活氏
 エイチ・アイ・エス(HIS)グループは5年後にクルーズの販売人員25万人をめざす。同社常務取締役東日本地区営業総括の高木潔氏(※)はクルーズ市場について「2012年の(日本人の)クルーズ人口は21万7000人。5年後には100万人の市場になるのでは」との予測を述べ、船室が増えることを前提に「HISグループとして25万人くらい取り扱いたい」と意欲を示した。

 クルーズプラネット代表取締役社長の小林敦氏も、「(100万人は)強気な数字だが、それくらい伸びる市場の可能性はある」と期待を述べた。日本発着クルーズの増加でメディア露出も増え消費者の認知度が高まっており、海外発着のクルーズ販売についても好調で、6月までの売上を見ると前年比40%増で推移している。取扱人数も増えており、質の良い高単価商品が売れる傾向にあるという。今後は取扱人員の拡大を見込み、店舗を1年あたり数店舗ずつ増やしていく考えだ。

 両社は2013年のゴールデンウィーク(GW)にコスタ・ビクトリアのチャータークルーズを3本実施。高木氏はチャータークルーズを始めた理由として、領土問題の影響で中国や韓国の需要が減退するなか、クルーズは「新しいマーケットということで、タイミングも良かった」と説明。通常であればクルーズプラネット1社で実施するところであったが、規模の大きさやタイミングを考慮し販路や販売チャネルが多様なHISでも販売することになったという。

 今後は日本発着クルーズやチャータークルーズについて、2社共同で販売していく。また、クルーズプラネットが扱う海外発着クルーズもHISで代理販売し、ケースによりクルーズプラネットへの顧客の誘導もおこなう。さらに、海外拠点を活用し、インバウンド向けにも日本発着クルーズを販売する計画で、一部の海外支店では既に取り組みを開始しているという。

 また、販売に際し社員教育を強化。GWのチャータークルーズに社員を1本あたり30名から40名程度乗船させたといい、今後もそうした機会を設けていく。加えて、社内でのeラーニングシステムの活用や勉強会などでスタッフの知識レベルを高めていく。クルーズ・コンサルタント制度など外部の資格についても今後活用していく予定だ。

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