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全日空、12年度増収増益、営利は過去最高に-13年は1100億円めざす

  • 2013年5月2日

▽13年度は営業利益1100億円めざす-B787の影響55億円、導入計画は変わらず

 2014年3月期(2013年4月1日~2014年3月31日)の連結予想によると、売上高は12年度比8.5%増の1兆6100億円、営業利益は5.9%増の1100億円、経常利益は3.9%増の800億円、当期純利益は4.3%増の450億円を見込む。殿元氏は「営業利益、経営ベースでは過去最高の水準をめざしていく」と意欲を示した。

 2013年度は「2013年-14年度ANAグループ経営戦略」を遂行し、新たな成長領域の拡大に向けアジアへの戦略投資を強化する。航空附帯ビジネスを拡大し、多角化戦略に取り組むことで「世界のリーディングエアライングループ」をめざす方針だ。「2012年-13年度ANAグループ経営戦略」で掲げたグループ経営体制改革、構造改革によるコスト競争力と財務体質の強化は継続して取り組んでいく。

 国際線では成田/シカゴ線の増便など、北米路線の強化をはかるとともに、日本発着に加え、アジア/北米の接続需要の取り組みをさらに進める。海外市場でのプロモーション活動により、海外市場での認知向上や販売力の強化をめざす。また、国内線では羽田発着枠増枠分や伊丹の低騒音機枠を活用した路線の拡大を実施。便数やネットワークの拡大、フルサービスキャリアとしてのサービスの充実による収益性向上をはかるとした。

 また、B787については利用者の信頼回復にNHグループ全体で取り組む。すでに国土交通省が4月26日に耐空性改善通報を改定しており、NHでは4月28日にB787のテストフライトを実施。6月には定期便の運航を再開する計画となっている。

 殿元氏によると、連結予想では第1四半期で90億円の減収を見込んでいるが、実際は4月、5月のB787運航停止により55億円の減収となる見通しで、6月に運航再開予定であるため、予想よりも数字が上向く見込みだ。NHはB787を現在17機保有しており、13年度中に10機を導入する計画。殿元氏は「13年度はB787は17機がフル稼働し、今年度中に入る10機を含む27機体制になる。これらが大いに活躍してくれる年になるだろうと確信している」と期待を示した。