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富裕層旅行、学習体験で満足度向上へ-若手需要の増加も

  • 2013年4月9日

若手へのアプローチの強化
ロイヤルカスタマーの造成へ

LHW日本支社長の渡部恭士氏  市場の変化を受け、若手富裕層の需要の取り込みを強化する会社も現れてきている。渡部氏は、若手富裕層に対する積極的な姿勢を表明。現在LHWの日本人富裕層はシニアと若手が8対2だが、今後6対4まで若手を増やしたい考えだ。渡部氏は「彼らはどこでバケーションを過ごしたかをクチコミとして話す」とし、「我々は自信を持って、他者に自分の信じるストーリーを語ることが重要。メッセージを発信しレビューサイトやfacebookなどを通じてお客様に経験を語ってもらうことで、情報は広がっていく」ことから、SNSを活用した取り組みも進めていく考えだ。

 また、中川氏も今後は主要顧客であるシニア層に対するアプローチは継続するとしつつも、若手層富裕層の取り込みもねらう。若手富裕層に対する情報の訴求をはかり、ウェブサイトやSNSを強化するなどの対策を実施していくとした。

 ダビドフのジェネラルマネージャーを務めるなど長年富裕層市場に関わってきた西口氏も、「今後5年、10年先を考えると、我々は常に新しい顧客を探していかなければならない」と強調。旅行会社からも取り組みを強化し、自社のロイヤルカスタマーとして育てていく必要性を説いた。

 同氏は富裕層の場合、情報収集は自身の友人や信頼できる店などのスタッフなどから得ており、旅行も同様だと説明。特に若手富裕層の場合、資産はあるが仕事で忙しいため時間がないケースが多く、旅行会社が入る余地はある。西口氏は「まずはハワイからでもいいが、この人に任せれば大丈夫という信頼関係を結ぶ必要がある」とし、最初はあまり収益が出ないとしても、5年、10年先に年間300万円を使う顧客に育てていけば良いとした。