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観光白書、観光立国推進基本計画、震災の影響と復興テーマに

  • 2012年6月17日

▽2011年の海外旅行者数は2.1%増、国内旅行宿泊数は2.4%増

 白書によると、2011年の観光の状況では、2011年は海外旅行者数は2.1%増の1699万人。国内宿泊観光の1人あたりの旅行宿泊数は2.4%増の2.17泊と増加し、旅行回数も1人あたり2.2%増の1.37回だった。震災の影響が色濃く出た訪日旅行では、訪日外国人旅行者数が27.8%減の622万人、述べ宿泊者数も36.2%減の1756万泊と減少した。

 国内旅行消費額は2010年の数値で、合計6.1%減の23兆8000億円となった。このうち宿泊旅行は7.4%減の16兆1000億円、日帰り旅行が8.3%減の5兆1000億円、日本人の海外旅行の国内消費額が1.9%増の1兆3000億円、訪日外国人の日本国内での旅行消費額は6.1%減の23兆8000億円となった。また、国際会議の開催件数は2010年のデータで世界第2位の741件だった。なお、2007年に統計基準が変更されており、前基本計画の目標数値の基準に照らすと、309件となる。

▽2012年は国際競争力の強化はかる-人材育成や環境整備も

 2012年の施策では、国際競争力の高い魅力ある観光地の形成、観光産業の国際競争力の強化と観光振興に寄与する人材育成、国際観光の振興、観光旅行促進のための環境整備の4項目に取り組む。

 国際競争力の高い魅力ある観光地の形成では、「武家の古都・鎌倉」「富士山」の世界文化遺産推薦書提出を踏まえ、世界文化遺産登録に向けた取り組みを展開していく。また、観光産業の国際競争力の強化と観光振興に寄与する人材育成では、中長期的な今後の観光産業のあり方についての検討をはじめる。

 国際観光の振興では、二国間の交流人口の拡大をはかるため、観光交流事業などを通じて交流拡大に積極的に取り組む考え。たとえば日中国交正常化40周年では、観光庁や旅行業をはじめとする関係団体が「日中国交正常化40周年記念観光交流事業推進委員会」を立ち上げており、交流事業を官民一体で推進。訪中、訪日旅行のモデルコースも造成する。また、日印国交樹立60周年では、インドのメディア、旅行会社の招請や、現地旅行会社との共同広告出稿などを実施する考えだ。

 観光旅行促進のための環境整備では、フェリーや離島航路などの「普段着の船旅」の魅力向上をはかる。特に瀬戸内海の航路を中心に、関係者の協力のもと、船の認知向上に向けた戦略的な情報発信や、利用者のニーズにあった旅行商品の開発、販売の促進をはかる考えだ。