ヘルシンキ、新たな観光素材の提案で日本人宿泊数10万泊へ−滞在日数も増加

  • 2010年5月14日
 このほど来日しヘルシンキ市観光&コンベンション局マーケティング・マネージャーのマリ・リール氏は、ビジット・フィンランド日本代表の能登重好氏とともにトラベルビジョンの取材に応じ、新たなプロモーション展開や日本市場の動向について説明した。2009年の日本人宿泊数は、経済不況や新型インフルエンザの流行などで前年比15.2%減の7万3060泊にまで減少したが、2010年1月から3月を見ると11%増で推移。マリ氏は、「2010年は10万泊をめざしたい」と話し、積極的なプロモーションを展開する方針を示した。

 具体的には、これまで通り「デザイン」も打ち出すが、2010年からはヘルシンキのマスコットキャラクター「ヘルッピ」を日本市場向けに新たに提案。まずは消費者向けのゆるキャライベントなどで認知向上をはかり、パンフレット掲載など、旅行会社向けに活用できる可能性も見出す考えだ。また、「デザイン」でも2012年の世界デザイン首都にヘルシンキが選ばれたことから、これにあわせた旅行商品の造成にもつなげたいという。

 このほか、夏だけでなく冬のレジャー需要の取り込みもはかる。2009年10月から7ヶ月間実施したウィンターキャンペーンを継続し、冬のヘルシンキで楽しめるバレエやオペラ、家庭訪問、ノルディックウォーキング、スパなどを提案する。

 ヘルシンキにとって日本は6番目の市場だが、「宿泊数だけでなく距離や消費額などを考慮すれば3位から5位程度」という。現在、日本人の平均滞在日数は2.04泊。以前は日本人の滞在日数が短いことが課題だったが、全世界平均2.06泊の水準に近づいており、今後も重要な市場として位置付けた。


▽ロシアへビザ無しで入国できるフェリーが就航

 2010年4月20日、ヘルシンキとロシアのサンクトペテルブルグをつなぐフェリーが就航した。ロシア入国にはビザが必要だが、同フェリーはサンクトペテルブルグへ到着後72時間以内に帰国便に乗船し、乗船券に市内観光ツアーが含まれていればビザなしで入国できる。つまり、サンクトペテルブルグにビザなしで2日間滞在することが可能となる。ツアーオペレーターを通じて予約することもできるが、ヘルシンキで申し込むこともできるという。

 能登氏によると、「旅行会社の反応も好評」と話しており、同商品を組み込んだツアー造成にも期待がかかる。運航するのはSt. PeterLine(セント・ピーターライン)のプリンセス・マリア号で、客室数606室、1600人を収容する。