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HIS、「途上国」応援ツアー第2弾−若年層の動機付けに期待

  • 2009年9月24日
 エイチ・アイ・エス(HIS)は、「途上国の可能性を見つける旅」第2弾として、バングラデシュへのツアー2コースを販売する。第1弾もバングラデシュを訪れるツアーで反響が大きかったといい、今後途上国へのツアーの定着と拡大をねらう。特に、海外旅行離れが指摘される若年層に対して、海外旅行への動機付けの効果も期待する。第2弾では、現地でストリートチルドレンの支援などを実施するNGO「エクマットラ」と協力して子供たちと交流する時間を設けるほか、ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行、12万人の職員が働く世界最大のNGO「BRAC」の活動視察などを盛り込んだ。

 バングラデシュ出身であるHIS執行役員のボビー・A・ハック氏は、「25年間HISで勤めてきたが、バングラデシュをはじめ発展途上国を日本人旅行者が訪れるようになるためにはどうすれば良いかをかなり前から考えていた」と背景を説明。第1弾は、バングラデシュに生産拠点を置くバッグメーカー「マザーハウス」と共同で企画したもので、定員20名の説明会に約60名が集まるなど「予想以上に大きな反響を得られた」という。

 第2弾は、「途上国と心の交流をする旅 エクマットラ・ボランティア体験 グラミン銀行観光付」と「ノーベル平和賞受賞グラミン銀行と世界最大のNGOのBRACを視察 バングラデシュ・スタディーツアー」。旅行日数はいずれも6日間で、旅行代金はグラミン銀行とBRACの視察コースで16万2000円から。また、エクマットラは、このほどストリートチルドレンの姿を描いた映画「アリ地獄のような街」を自主制作。日本では11月から公開を予定しており、HISはこの映画にも特別協賛する。ツアーの集客には、ウェブサイトや顧客向けEメールなどを活用し、「需要のあるところに的確にプロモーションを実施する」方針。

 若年層への動機付けについてハック氏は、「(旅行離れと言われるが)果たして旅行会社は求められている商品を提供できているのか」と問題意識を説明。自身が学生と話した印象としては、「ただ海外旅行に行くきっかけが見つかっていない。世の中のため、人のために何かしたい、どこかで汗をかきたいという思いは感じた」という。今後も同様のツアーを継続していくことで、「発展途上国のために活動している方々を知る機会や、現地の大学生と交流する機会も提供したい」考えで、来春にも学生向けのツアーを実施したいという。


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