トラベル懇話会、今年の講演は官房長官、出国税やツーウェイに言及

  • 2018年1月10日(水)

菅氏  トラベル懇話会は1月10日、都内で毎年恒例の新春講演会を開催した。今年の目玉は内閣官房長官の菅義偉氏の講演「観光立国ニッポン ~観光先進国に向けて~」で、同会によれば現職の官房長官による講演は「初の快挙」。菅氏は1時間以上にわたり、過去5年間に安倍政権が実施した観光振興策とその成果についてアピールしたほか、今後も政治主導で「観光先進国」の実現に向けたさまざまな取り組みを進める考えを示し、出席した旅行会社などの経営陣に協力を呼びかけた。

 菅氏は講演で「安倍政権が改革に向けて政策を実施した結果、年間830万人程度だった訪日外国人旅行者数は、昨年には2860万人を超えるに至った」と強調。「民主党が政権を取っていた時代には、お隣の韓国よりも外国人旅行者が少ないことを疑問に思っていた」「官房長官就任後には、圧倒的に厳しかった訪日ビザの取得要件を、少なくとも韓国と同レベルに緩和することを閣僚5人で10分間で決めた」などのエピソードも披露し、「2020年の4000万人、30年の6000万人の目標は当てずっぽうで言っているのではない。4000万人は完全に射程圏内にある」と明言した。そのほか免税品の対象品目を大幅に増やして消費額を増大させたことなどもアピールし、量と質の両面で政府が訪日旅行を強力に振興していることを強調した。

講演会前の賀詞交換の様子  19年1月に導入される「国際観光旅客税」(仮称。いわゆる出国税)については「年間4000万人、6000万人の実現に向けて、必要な部分に使わせていただきたい」と述べるとともに、「CIQの新たな設備などに投入し、外国人旅行者が並んでいる風景をなくしたい。国民や海外の皆様にはご理解を頂きたい」と説明。講演の最後は「みなさんとしっかり連携して生の声を聞き、直すべきことはすべて直すし、協力できることはすべて協力したい。日本の観光が発展できる環境を整備すると約束する」と締め括った。

 菅氏は講演の終了後には、客席からの質問に答える形で双方向交流に対する考えも披露し、「(外国人旅行者が)来るだけでなく(日本人旅行者が)行くのは当然。連携が取れるよう対応する」とコメント。そのほか、これから訪れたい旅行先に関して「孫と一緒にハワイに行きたい。温泉にも行きたい」と答える一幕もあった。

福田氏  この日は冒頭で、トラベル懇話会の会長でアサヒトラベルインターナショナル代表取締役会長の福田叙久氏が挨拶。今年で同会が創立40周年を迎えることについて述べた上で、近日中に同会として3回目の政策提言を予定していること、9月には記念祝賀会を開催することなどを説明した。また、出国者数の回復傾向を受けて、今年を「アウトバウンド躍進の年」と位置づけるとともに「出国者数2000万人の達成を業界のテーマとしたい」と強調。観光庁には「アウトバウンドについても数値目標を掲げてほしい」と要望した。

田村氏  来賓として挨拶した観光庁長官の田村明比古氏は、国際観光旅客税について「使途を特定・明確化する法案を次の通常国会に提出する予定」と伝えるとともに、「双方向の旅客の往来を促進する施策に投じる」と方針を伝えた。具体的には出入国審査の体制整備やデジタルマーケティング、観光庁による海外旅行に特化した初めての予算事業となる「安否確認のための情報プラットフォームの構築」を例に挙げ、「先端技術をフルに活用しながら、内外の旅行者のための円滑で快適な旅行環境の整備、双方向交流の拡大を加速する」と語った。

田川氏  続いて登壇した日本旅行業協会(JATA)会長の田川博己氏は、新財源について「交流大国の実現に向けた双方向交流」に使われることを要望。「そのようなプロセスのなかで観光立国を実現していただきたい」と念を押した。

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