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【コロナに負けず】リベロヴィアッジ代表取締役社長の矢追剛氏

矢追氏。取材はオンラインで実施

 新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大によって壊滅的な被害を受ける観光産業。旅行会社も、その多くが営業を大幅に縮小し嵐に耐えている。各社が現状や回復の時期をどのように分析し、どのような対策を講じているのか。「コロナに負けず」と題した本シリーズでは、旅行会社をはじめ関係企業の経営者の率直な意見を掲載していく。第1弾は、大阪で業務渡航を中心に旅行業者代理業を営むリベロヴィアッジの代表取締役、矢追剛氏に聞いた。(聞き手:代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

昨年のインタビューはこちら
あらためて会社の概要について教えてください

矢追剛氏(以下敬称略) 社員は8名で年間の売上高は約8億円。主たる事業は上場企業の出張手配で、全体の9割が業務渡航です。

コロナによる売上の減少はどの程度でしょうか

矢追 6月までで、コロナがなかった場合の想定と比べると2億円から2.5億円くらい下がっています。4月から6月までは売上をほぼゼロと想定している状態です。

 後半の7月から12月についても、良くて1億円から2億円ではないでしょうか。つまり、1年間の売上が3億円から4億円程度、通常の5割から6割減となると見ています。

現在の対応状況は

矢追 雇用調整助成金を2月から申請しており、週4日程度を休業にしています。出勤日についてもほぼ100%在宅勤務です。

 従業員の給与については、5月の決算が赤字にならない見通しなのでそれまでは満額支給を決めています。それ以降については未定ですが、特別有給休暇については8割程度とし、休業分の給与に関しては状況を見ながら労基法で認められる4割を上限に減給も検討するつもりです。私の報酬は5月から6割カットとすることに決めました。

 社員の雇用維持を第一に考え、ワークシェアなどで痛みを分かち合って耐えていきたい。その場合には副業も認めるつもりです。

 また、制度融資等を活用し手元資金を確保するとともに、オフィススペースの縮小などコストセーブも実施していく考えです。

2月からということで、行動が早かった印象です

矢追 早い方が絶対にいい。お金も残ります。

今後、海外業務渡航の需要はどのように推移していくと見ていますか

矢追 年内は9月から12月に前年の1割から3割まで回復すると見ている。良くて3割です。8月くらいまでは売上ゼロと覚悟しています。

 ニューヨーク駐在のクライアントと話した際も、本格的に動き出すのは9月以降と聞きました。現在は在宅勤務で、オフィスへの出社は5月末頃に開始するそうですが、それでも出勤できるのは1割から2割程度とのことです。

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来年の見通し、リファンド問題への考え