北海道一周を考えている人の中には、「どうやったら効率的に観光地を巡れるか」「おすすめのモデルコースはないか」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。広〜い北海道は、各地に魅力的なスポットがあり、計画的にコースを組まないと全然時間が足りなくなってしまいます。とはいえ、北海道の土地勘がない人は、どのように予定を組めば良いかイマイチわかりにくいはず。
そこで今回は、息子と北海道を2周した旅好きライターが、万人におすすめの北海道一周モデルコースを紹介します。
マネして周るだけでもかなり北海道を満喫できると思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
北海道一周の距離は約3,000km!
北海道一周は、どのルートで行くかによっても距離が変わりますが、海沿いの道をひたすら走った場合は約3,000kmです。とても大きな数字なので想像が難しいかもしれませんが、たとえば東京から東方向に3,000km行くと、その先にハワイがあります。これを聞くと、北海道がどれほど大きいのかよくわかりますね。
私の場合は、1回目の北海道一周の際に走った総距離は、約1,700キロメートルでした。5日間での一周で、海沿いばかり走らず、函館やえりもなどにも行かなかったため、そこまで距離は走っていません。
このように、北海道一周は選ぶルートによって必要日数や距離数が大きく変わります。
北海道一周は何日でできる?最短は?
北海道一周は、海沿いをひたすら走る場合、3日あれば完走できます。ただし、これは法定速度60km/hで24時間寝ないで走り続けた場合なので、全く現実的ではありません。
海沿いを走るなら、最低でも1週間はほしいところです。一箇所の観光スポットをじっくり楽しみたいなら、1週間以上は必要でしょう。
北海道は見どころがたくさんあるので、道民としてもゆっくり北海道を巡って、存分に楽しんでほしいと思っています。
筆者が北海道一周にかかった日数は5日間
私の場合は、2022年8月に海沿いをあまり走らないルートを組んで、5日間で北海道一周をしました。朝早く起きて車を走らせる、観光地には長くても3時間しかいないなど、いろいろ工夫が必要でした。
またもっと見たかった、行きたかった場所もかなり多く、5日間では全然時間が足りなかったと感じたため、2024年8月に2度目の北海道一周を完走しています。
筆者のように北海道在住の場合は、時間を見つけて何度でも北海道一周に出かけられますが、道外にお住まいの場合はなかなかそうも行かないと思うので、やはり日数は最低1周間を確保するのがおすすめです。
北海道一周のルートの決め方
北海道一周は、ある程度ルートを立てておかないと時間が足りず、行きたいところにいけなくなってしまいます。
ここでは、北海道を二周したことのある筆者が実際にやっているルートの決め方を紹介します。
1.絶対に行きたい場所にピンを立てる
まずは絶対に行きたい場所にGoogle Mapでピンを立てましょう。Google Mapは旅行をする上で必須です。行きたい場所にピンを立てておけば、一目で目的地がどこにあるかがわかるし、行きたい場所から場所への距離感も、なんとなく把握できます。
行き先が決まっていない人、どんな観光スポットがあるのかわからない人は、Google Mapを使って探すことも可能。たとえば、空港近くで観光地やレストランを探す場合、地図で空港のエリアを開き、検索窓の下にある「レストラン」や「ラーメン」を選択すると、空港付近のレストランやラーメン店が地図上に現れます。
2.Google Mapで行きたい場所から場所までの距離と時間を計算する
Google Mapで行きたい場所にピンを立てたら、行きたい場所から場所への距離と時間を確認します。北海道はかなり広いので、観光スポットから観光スポットへの道のりが3時間ということも珍しくありません。
あまり日数がない場合は高速をうまく活用するのがおすすめですが、時間に余裕があるなら、移動中の景色も楽しんでみてください。思わず写真を撮りたくなるような景色や、キツネ・エゾシカ・ツルなどに出会えることもありますよ。
また、道中素敵なお店があったら寄ることなども考えて、移動時間は+1時間くらい多めにとっておくのがおすすめです。
3.どこに泊まるかを決める
大まかなルートが決まったら、宿泊先を決めましょう。ネットで「帯広 ホテル」などと検索したり、Google Mapで行き先の場所を開いて検索窓から「ホテル」と検索したりしても見つかります。
最近の北海道はインバウンドが多く、特に札幌や旭川、富良野といった有名地のホテル料金がかなり高くなっています。北海道一周をすると決めたら、ホテルは早めに抑えておくのがおすすめです。
また、ホテルをとらず車中泊する手もあります。車中泊ならお金もかかりませんし、予約も必要ないので自由に旅ができます。ただし、車中泊をしてはいけない場所もあるので、あらかじめ車中泊OKのところをリサーチしておくのが重要です。
車中泊については下記の記事でも紹介されています。
旅好きライターおすすめ!北海道一周のモデルコース【9日間プラン】
北海道一周は、10人いれば10とおりのルートがあります。ただ、初めて北海道一周をする人は、どうやって周ろうか迷ってしまうかもしれません。
ここでは、北海道を二周した筆者おすすめの「北海道一周の9日間モデルコース」を紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
1日目 千歳→苫小牧→白老→登別
道外にお住まいの人は、ほとんどが新千歳空港を利用すると想定し、旅の始まりは千歳にしています。新千歳空港付近には、トヨタレンタカーやニッポンレンタカーなどがあるので、最初に車を借りましょう。
新千歳空港から、まずは苫小牧へ行き、ランチをしましょう。苫小牧はホッキ貝が有名ですが、海産物全般がとても美味しいです。「マルトマ食堂」や「三浦や」では、格安で豪華な海鮮丼が食べられますよ。
お腹がいっぱいになったらお次は白老へ。自然あふれる街・白老にはアイヌの文化に触れられる「ウポポイ(民族共生象徴空間)」があります。アイヌ語学習プログラムや伝統芸能の上映、楽器演奏体験などがあり、大人も子どもも楽しめる施設です。
白老から車で30分ほどのところに、北海道屈指の温泉街・登別があります。ホテルもたくさんあるので、1日目は登別に泊まりましょう。「第一滝本館」や「登別万世閣」などのホテルが有名です。
2日目 登別→室蘭→洞爺湖
2日目の午前中は、登別を観光しましょう。登別でおすすめなのは「のぼりべつクマ牧場」です。熊たちがそれぞれの芸を披露して、餌を催促してきます。
ランチは、登別から車で30分のところにある室蘭で。室蘭は焼き鳥やカレーラーメンが有名です。カレーラーメンなら「味の大王」や、「しぶき屋」が穴場ですね。昼食を食べた後は「道の駅みたら室蘭」から「白鳥大橋」を眺めながら、ソフトクリームを食べるのがおすすめです。
お腹が満たされた後は、洞爺湖へ向かいましょう。洞爺湖は日本で3番目に大きいカルデラ湖で、観光地としても有名です。毎年4月下旬から10月下旬まで、毎日20分間花火が上がるので、洞爺湖でホテルを予約して部屋から花火を眺めるのも良さそうですね。
3日目 洞爺湖→八雲→鹿部→函館
洞爺湖のホテルで朝食を済ませたら、八雲へ向けて出発しましょう。八雲は美味しいお水が有名で、「ヤクモ飲料の湧き水」では無料で湧き水をいただけます。ぜひ飲んでみてください。有名な観光スポットもあり、「噴火湾パノラマパーク」からは噴火湾が一望できますよ。たくさんの遊具もあるので、子連れ旅にもおすすめです。
次は鹿部へ向かい昼食にしましょう。「道の駅 しかべ間歇泉公園」では、間歇泉を使った蒸し料理が楽しめます。足湯もあるので、長旅で疲れた足を癒やしてあげてください。
昼食後は函館へ。函館で「五稜郭公園」や「金森赤レンガ倉庫」「トラピスチヌ修道院」を観光し、宿泊しましょう。函館のホテルは朝食が豪華なところが多く、中でも「函館国際ホテル」や「ラビスタ函館ベイ」の朝食バイキングで食べられる海鮮丼はとても人気があります。
4日目 函館→乙部→寿都→神岬→積丹→余市→小樽
朝はホテルで朝食を食べても良いですし、「朝市」に行くのも良いですね。朝食を食べた後は乙部へ行き、「シラフラ」の絶景を楽しみましょう。乙部のシラフラは隠れた絶景スポットで、日本とは思えない壮大な白い崖を見ることができます。
乙部から海岸沿いに寿都→神岬と走らせると、日本海で取れた新鮮な海産物を使った海鮮丼が食べられるお店がたくさんあり、ランチにおすすめです。
その後は神岬→積丹→余市→小樽へと車を走らせましょう。積丹は「神威岬」や「島武意海岸」から、積丹ブルーと呼ばれる真っ青な海を楽しめます。余市はワインが有名なので、お土産に買っていくのもおすすめです。
小樽についたら「北一硝子」や「小樽オルゴール堂 本館」を観光しましょう。小樽には「かま栄」や「ルタオ」の本店もあります。夜は「小樽天狗山」からの夜景や、「小樽運河」のガス灯が並んだ景色が美しいですよ。この日はこのまま小樽に宿泊しましょう。
5日目 小樽→増毛→小平→豊富
朝食を済ませたら車を北に走らせ、増毛へ。増毛は日本酒の國稀が有名で、酒造「旧商家丸一本間家」は見学も可能です。そのほかにも、夏ならさくらんぼ狩りやりんご狩りなどを楽しめます。
増毛を観光したあとは、海沿いのオロロンラインを通って小平まで行き、安くて美味しい海鮮丼をいただきましょう。「お食事処 すみれ」は夏になると観光客で長蛇の列ができるほどの人気店なので、ぜひ1度行ってみてください。
お腹が満たされたあとは、引き続きオロロンラインを走り、温泉が有名な豊富へ向かいましょう。豊富温泉は僅かに油分を含んだ泉質が特徴で、アトピーなどの皮膚疾患に効果があるとされ、全国各地から温泉に入りに来る人もいるほどです。日本では豊富だけが、唯一この泉質を持っています。
6日目 豊富→稚内→猿払→紋別
6日目は豊富から稚内まで向かいましょう。稚内の有名観光スポットといえば、「稚内港北防波堤ドーム」や「稚内市立ノシャップ寒流水族館」です。せっかくなら日本最北端の「宗谷岬」で記念写真も撮りたいところですね。
そのあとは猿払に向かい、美味しいホタテをいただきましょう。厳しくも豊かなオホーツク海で育ったホタテは、身がブリンとしていて味もとっても濃厚です。
6日目の最後に、車を3時間ほど走らせて紋別まで向かい、夜ご飯にしましょう。紋別は北海道を代表する海の幸の宝庫です。毛ガニやホタテなどの海産物のほか、オホーツク紋別ホワイトカレーなども人気ですよ。海辺には巨大なカニ爪のオブジェもあり、夜でもライトアップされているのでぜひ記念写真を撮りましょう!
7日目 紋別→網走→斜里
午前中は紋別を観光し、網走へ。網走で個人的におすすめの穴場観光スポットは、「博物館 網走監獄」です。施設内にはいたるところに囚人の蝋人形がいて、当時の様子をリアルに体験できます。また、過酷な北海道開拓の歴史も学べるので、北海道が好きな人はぜひ行ってみてほしいスポットです。
網走から1時間の斜里は、知床の自然を一望できる「知床峠」や日本の滝百選に選ばれた「オシンコシンの滝」など自然を満喫できるスポットが点在しています。これぞ北海道!という雄大な大自然が広がっているので、運転で疲れた身体と心を癒やしてくれるはずですよ。
また、斜里には全長約18kmの真っ直ぐな道「天に続く道」もあり、映え写真が撮れると人気です。写真は、車の邪魔にならないように交通ルールを守って撮りましょう。
8日目 知床→標津→浜中→厚岸→釧路→帯広
標津は鮭が有名な町です。美味しいサーモン丼が食べられるほか、投げ釣りや新巻鮭づくりなど、鮭にちなんだ体験プログラムがたくさんあります。
標津から厚岸に向かう途中にある浜中は、ハーゲンダッツに使われるミルクを生産しており、そのミルクを使ったソフトクリームが食べられます。濃厚なのにすっきりとした味わいのソフトクリームは絶品ですよ。
厚岸ではやはり牡蠣を楽しんでいただきたいです。「道の駅 厚岸グルメパーク」や「厚岸漁業協同組合直売店 エーウロコ」では、厚岸産の大きな牡蠣をいただけます。
帯広は、豚丼発祥の地として有名ですが、六花亭や柳月など北海道を代表する会社を生み出したスイーツ天国な市でもあります。「六花亭 帯広本店」ではここでしか食べられないパイが売っていて、とても人気です。
9日目 帯広→えりも→日高→千歳
最終日は、最南端の襟裳岬に行き、ダイナミックな断崖絶壁を眺めてみてはいかがでしょうか。風の館の展望台では、望遠鏡があれば運が良ければ野生のゼニガタアザラシが見られます。
その後は海岸沿いを通って日高へ向かい、ランチにしましょう。日高といえば競走馬が有名です。「門別競馬場」では迫力満点のレースを見られるほか、バケツに乗せた鍋で肉を焼く“バケツジンギスカン”が名物なので、ぜひ食べてみてください。
馬が好きな人は、千歳に向かう途中にある「ノーザンホースパーク」もおすすめですよ。乗馬体験はもちろん、厩舎にお邪魔することもできます。
最後は千歳に行き、長い旅も終了です。運転お疲れさまでした!
9日間でもまだまだ足りない!北海道は魅力がたくさん
今回は、9日間の北海道一周モデルコースをお伝えしましたが、まだまだ全然北海道の魅力的なスポットを紹介しきれていません。北海道は四季折々の風景はもちろん、地域ごとの特産品やグルメ、温泉地、そして歴史や文化に触れることができるスポットなど、訪れるたびに新しい発見があります。
北海道に来る観光客はリピーターが多く、その理由の一つが「北海道には魅力的なところが多過ぎて何度来ても飽きないから」です。
今回ご紹介したモデルコースを基に、次回は違う季節に訪れたり、まだ行けていない地域を探索してみたりすることで、さらに深く北海道を楽しむことができるでしょう。何度でも訪れたくなるこの大地の魅力を、ぜひあなた自身の目で確かめてみてください。