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【ホテル総支配人リレーインタビュー】第2回 エースホテル京都上席総支配人 飯田雄介氏

コロナ禍での日本初進出、地域との繋がりを大切に

エースホテル京都上席総支配人 飯田雄介氏。インタビューはオンラインで実施した

 第1回のパレスホテル東京、渡部総支配人からバトンを渡されたのは、2020年6月にオープンしたエースホテル京都の上席総支配人、飯田雄介氏だ。ブランドとしてはアジア、日本初進出、オリンピック・パラリンピックに向けてインバウンドもますます盛り上がりを見せるなかで開業準備を進めてきたが、コロナ禍で状況は一変、波乱の船出となった。インバウンド需要が見込めない今、地域との繋がりが重要だという飯田氏に、これまでの取り組みとコロナ後に向けた戦略を聞いた。(インタビュー実施日:2021年1月26日/聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

-はじめにご自身のご紹介をお願いいたします

飯田雄介氏(以下敬称略) 私は1988年4月 に日本航空開発(現株式会社オークラニッコーマネジメント)に入社しました。ホテル日航成田で研修を受けた後、シドニー、ロサンゼルス、 ニューヨークのホテルニッコーで合わせて10年、国内で10年、本部で7年勤務。その後ホテル日航東京で総支配人室室長というポジションで総支配人のトレーニングを受け、ホテル日航姫路、川崎日航ホテルにて総支配人職を務めました。

 縁があって2015年に森トラストホテルズ&リゾートに移り、東京マリオットホテルの総支配人に。 翌年に執行役員となり、軽井沢、京橋、 白馬、修禅寺、山中湖など複数のホテルの総支配人を本社運営統括部長と兼務しました。2019年にエースホテルの開業準備室が設置されたのですが、ロサンゼルス勤務時の上司である現エースホテルCEOのブラッド・ウィルソンに誘われ、エースホテル京都のエグゼクディブマネージャーに就任しました。

 ブラッドは私が将来総支配人になるときに目標にしたいと思っていた人物で、ロサンゼルスとニューヨークのWホテル開業時にはプロジェクトリーダーを務めていました。その彼が率いるエースホテルは、新しいスタイルのホテルとして非常に面白いエッセンスや可能性を持っているのではないかと感じています。私の下にはニコラス・ブラックという総支配人がおり、オペレーションやマーケティングに関する部門は彼が、バック部門や経営的な部分は私が管轄しています。

-エースホテルとしては京都がアジア初展開ということですが、ホテルの特徴を教えてください

飯田 エースホテルは「音楽」や「文化」といった賑わいを大切にし、ホテル全館での楽しさを売りにしていた最先端のホテルです。通常ですと、ロビーはホテルに関係するお客様にくつろいでいただく場所ですが、エースホテルではパブリックスペースを大切にしており、「用事がなくてもその空間にいたいという方もウエルカム」というスタンスです。賑やかしを起こす場なので従業員もロビーで仕事をしていいことにしているのですが、私は確実にできません、うるさすぎて(笑)。

 歴史としては1999年にシアトルで開業し、現在はシカゴ、ニューオリンズ、ピッツバーグ、ロサンゼルス、ニューヨーク、パームスプリングス、ポートランド、シアトル、京都に展開しています。どのホテルもコーヒーにこだわり、芸術や音楽、地元の文化を大切にしているのが特徴で、ホテルのロゴも各地で異なるデザインを採用しています。ブランドマーケティングの観点からは同じデザインで認知を広げることが有効と言われていますが、エースホテルではそれぞれの土地に馴染むことを重視してブランドを展開しています。

 京都を開業する際は、ホテル業界としては非常に好調な時期でしたので、人材確保が大変になるだろうと想定していました。そこでホテル勤務未経験でも情熱がある人は歓迎し、外注も活用していくという雇用戦略を取りました。また、地域の文化を大切にするという方針の下、レストランでは日本食には手を出さないことに。日本食は美味しい日本食レストランがたくさんある京都で楽しんでもらい、それ以外の食事でお客様に新しい楽しみを提供したいという考えで、レストランを展開しています。現在は和朝食のみ用意していますが、実際にはアボカドトーストの朝食の方が人気がある状態です。

 建物のデザインコンセプトは「EAST MEETS WEST」で、大正時代に建てられた新風館をリノベーションした棟と新築の棟の2棟をホテルとして使用しています。1階には商業施設とホテルのロビーが入り、新築棟の2階から7階はすべてホテルのフロアとなっています。客室は213室で、ほぼ全室にレコードプレーヤーやギターなども置き、将来的にはリピーターのお客様に好みに合ったレコードを用意するといった形を作っていきたいと考えています。

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