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シンガポール人の「日本の見方」と日本のインバウンド考察

 F-ness International (Singapore) 代表取締役の赤井亮太です。すでにシンガポールに来てから2年が経ち、2021年1月より3年目に入りました。日本では感染者が増加の一途を辿るコロナウィルスも、シンガポールでは政府の強力な抑え込みもあり、市中感染はほぼゼロを保っています。市中で感染するというリスクを感じることは全くない状態です。

 本日は、コロナから話題を変え、シンガポール人は「日本をどのように見ているのか」を紹介し、今後の日本のインバウンドを考察してみたいと思います。

1. 無類の日本好き!

 私が日本人であるため、お世辞もあるのかもしれませんが、シンガポール人は、どのような世代の人に聞いても、ほぼ100%に近い確率で「日本が好き」「日本に行きたい」「何度も日本に行っている」という声が上がってきます。驚くことに、これはシンガポールにいる他の国籍の人でも、ほぼ似たような結果です。

 人気の旅行先は、やはり東京、大阪、京都などのゴールデンルートですが、次点としては北海道になります。自分の国が常夏で、雪を見る機会もないので、冬の北海道へ行きたいという声が最近多くなってきているように感じます。最近では、多くのショッピングモールでも、北海道○○(例えば、北海道ソフトクリーム、北海道ラーメン)をよく見かけ、「北海道」と付いているだけで長蛇の列になるくらい人気があります。

 やはり、歴史・文化、食、エンターテイメント、どれを取っても一級品の日本には、根強いファンが多いということでしょうか。シンガポールをはじめ、アジア諸国の人は無類の日本好きだと感じます。

2. 日本は安い!?

 10年前は「日本には行きたいけれど、何でも高くて旅行に行けないよ」という声が多かったように思いますが、今はシンガポール人は日本に旅行へ行くと何もかもが安く感じると思います。

 4 ~ 5 starのホテルに2 ~ 3万円台で宿泊できたり、ラーメンや刺身を1,000円以下で食べられたり、お寿司を100円で食べられたり、このような状況はシンガポールではありえません。例えば、私が昨年末に行った寿司店(すごい高級店というわけではない)でも家族4人で、お酒代も含めて1,000SGD (=8万円) 程度支払いました。

 では、なぜこのような状況が起きているか?これには2つの理由があると考えております。
1. アジア諸国の経済成長に伴い給料が増えたこと、そして2. 自国通貨に対する円安、にあります。上記でも述べましたように、日本にはコンテンツが豊富にあるということは否定しませんが、ここ5~6年のインバウンドの沸騰は、質が良いのに安い、安いからまた行きたい、これが大きな要因だったと言えます。

 下記でもう少し詳しく見ていきましょう。

2ー1. 経済成長

 ご存知の通り、日本はバブル崩壊から「失われた20年」と言われ、ここ20年ほとんど経済成長がなされませんでした。

 下記のグラフを見てもわかる通り、日本の平均年収はほとんど変化がなく、ここ10年間400万円前半で推移しています。一方で、シンガポールは2007年に日本円ベースで250万円だったものが2017年には416万円と1.7倍になっていることがわかります。つまり10年で平均年収が2倍になっているということです。少なくとも平均年収レベルで見ると、もう日本との差はないと言えます。

両国政府データを用いて作成

 さらに、シンガポールはダブルインカム(夫婦ともに働いている)が普通で、女性も男性同様にフルタイムで働くため、世帯年収は一般的に平均年収の倍程度になります。下記の通り世帯年収で見ると、すでにシンガポールは日本円ベースで900万円に迫り、日本の1.5倍程度あることがわかります。

両国政府データを用いて作成

 税率や物価も異なるため、単純比較はできませんが、シンガポールの世帯は、日本と同等か、それ以上の収入を持っていると考えられます。

2-2.円安

 次は、冒頭に挙げた円安効果を見ていきましょう。

 下記は、SGD - JPYの為替チャートになります。2003年12月に1SGD=63円だったものが、2015年には1SGD=90円(日本円に対して50%程度シンガポールドルが強くなった状態)を超え、2020年12月には1SGD=78円(日本円に対して25%シンガポールドルが強くなった状態)という状況が見て取れると思います。

 つまり、ここ15年くらいシンガポールドルで稼いでいた人は、日本円に換算すると30~50%多く受け取れていたということになります。

Google社が提供する為替チャートを引用

 上記2つの現象は、シンガポールだけではなく、中国・香港、そして他の東南アジア諸国でも同様に見られる現象です。むしろ、中国のようにシンガポール以上に急成長した国では、上記2点はさらに顕著です。銀座で爆買いできるのも納得できるのではないかと思います。
 輸出産業は円安の恩恵を受けるように、インバウンドも円安で恩恵を受ける産業と言えます。

3. さいごに

 所得増・円安のダブル効果で、日本へ来るインバウンド旅行者は、「日本が安い」と感じていることでしょう。その上、日本へは6~7時間で行くことができ、時差もほとんどありません。治安もよく、歴史・文化が共存する最高の旅行先です。

 コロナ渦で突如インバウンド需要が蒸発しましたが、アジア諸国の経済成長と円安という流れが大きく変わらなければ、ワクチン普及後インバウンドは速やかに回復してくると思います。

 日本では緊急事態宣言が再び発動されるなど予断を許さない状況ですが、もう少しの辛抱だと思います。皆さんで一緒に頑張っていきましょう!

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