アドツーリスト、福岡発海外商品を企画、提携150社と販売
福岡市の中央区天神に本社を置く旅行会社のアドツーリストは、このほど第1種旅行業を取得し、福岡発の海外旅行商品の造成と販売を開始した。企画と造成は、バックパッカーとして世界を旅した経験をもつ取締役の栗田敬一朗氏などが担当。すでに2016年2月から6月にかけて出発する、南米などへの高付加価値型シリーズ商品「情熱の5コース」を発売しており、直販と九州全域の提携旅行会社へのホールセールで、シニア層などの獲得に取り組むという。
同社は1992年3月に一般旅行業代理店として営業を開始し、2003年には第2種を取得。第1種は今年5月に取得した。栗田氏によれば第1種を取得した理由は、地域密着型の旅行会社を取り巻く経営環境が厳しさを増す状況において「生き残りのためには高付加価値商品などの取り扱いが必要」と考えたため。「福岡発の長距離方面の海外旅行商品は意外と少ない」ことも考慮し、南米など販売単価が高く独自色も打ち出しやすい旅行商品に着目したという。
発売中のツアーは、2月出発の「発見と感動のモロッコふれあいの旅11日間」、3月出発の「カンボジア・ラオス・ベトナム3ヶ国を巡る インドシナ半島周遊の旅8日間」「ウユニ塩湖とラパス7日間」、4月出発の「ニュージーランド北島&南島 ミルフォードオーバーナイトクルーズ8日間」、6月出発の「マチュピチュ遺跡観光&登頂とナスカの地上絵9日間」の5つ。全ツアーに福岡から添乗員が同行し、モロッコでは現地の家庭での夕食会、ニュージーランドではミルフォードサウンドでの1泊2日クルーズなど、独自のプランを盛り込んだという。
12月5日には博多で、旅行会社向けに初めての商品説明会を開催。今後は26日と1月9日、23日にも説明会を開催する。さらに1月18日から20日にかけては熊本、宮崎、大分でも説明会を予定。今後の説明会では「インターネットの発達でお客様の知識が増え、旅行会社のスタッフでは対応しきれないケースも発生している」ことなどを受け、提携旅行会社の担当者にはそれぞれの「お得意様」を連れての参加も呼びかけるという。「直接商品をアピールすることで、旅行会社が無理なく販売につなげられる」との考えだ。
栗田氏によれば、国内航空券の販売などを主力事業とする同社では、近年はインターネット販売に取り組む一方で、2年前からは旅行会社向けの営業も強化。現在では約150社と提携するまでに至った。今回の取り組みについて提携会社からは「九州からの新たな動きとして歓迎する」「福岡から添乗員が同行するのは心強い」など、好意的な意見が多く寄せられているという。
同社は現在、キューバ旅行や世界一周旅行などについても商品企画を進めているところで、来年の下期は6本から10本程度のツアーを催行したい考え。提携旅行会社からの要望も反映させながら検討を進めるという。