海外医療通信 2020年10月号【東京医科大学病院 渡航者医療センター】

  • 2020年10月26日(月)

※当コンテンツは、東京医科大学病院・渡航者医療センターが発行するメールマガジン「海外医療通信」を一部転載しているものです


【リンク】
東京医科大学病院・渡航者医療センター


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海外感染症流行情報 202010

(1)全世界:新型コロナウイルスの流行状況


新型コロナウイルスの累積感染者数は10月下旬までに約4200万人、死亡者数は約114万人にのぼっています(米国ジョンホプキンス大学 2020-10-24)。1か月前に比べて感染者数は1000万人増えており、10月はヨーロッパでの増加が顕著になっています(WHO Corona virus disease 2020-10-20)。北米や中東でも感染者の増加がみられており、北半球の温帯全域で流行が再燃している模様です。今後、冬の到来とともに、さらに感染者数が増加することが予想されます。

新型コロナウイルスのワクチンについては、現在、海外の数社が第3相試験を行っており、年末までに効果や副反応について一定の結論がでる予定です。こうしたワクチンを日本国民にも接種できるように、日本政府はメーカーとの調整を行っています。


https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html


(2)アジア:アジアでのデング熱流行


今年はシンガポールでデング熱が大流行しましたが、10月になり患者数は減少傾向にあります。10月までに同国で発生した患者数は約3万人で、最近10年間で最も多い数になりました(WHO Western Pacific 2020-10-22)。台湾では、台北近郊の三峡郡などを中心に60人のデング熱患者が発生しています(Outbreak News Today 2020-10-11)。台湾では11月も媒介蚊の発生があるため、引き続き注意が必要です。


(3)アジア:ベトナムでのジフテリア患者増加


ベトナム中部の山岳地帯でジフテリアの患者数が増えています(米国CDC 2020-10-6日)。今年は200人近い患者が報告されており、昨年の年間患者数を大きく上回りました(Outbreak News Today 2020-10-2)。ジフテリアはワクチンで予防できる感染症です。日本では10歳頃に二種混合ワクチンとして最後の定期接種をしますが、成人では免疫が低下していることが多く、流行地域に滞在する際には追加接種を受けておくことをお勧めします。


(4)ヨーロッパ:蚊が媒介する感染症が増加


今年はヨーロッパ各地で蚊が媒介する感染症が増えています。イタリア北部のベネト州やフランスのニース近郊では、デング熱の国内感染例が18人確認されました(Outbreak News Today 2020-10-2)。オランダのユトレヒトやスペインのアンダルシア地方では、西ナイル熱の患者が報告されています(Fit For Travel 2020-10-15、米国CDC 2020-10-3)。ベルギーのブリュッセル近郊では、マラリアに罹患した夫婦が死亡しました(Outbreak News Today 2020-10-17)。この夫婦はマラリア流行地域への渡航歴がなく、ブリュッセル空港の周辺に住んでいたため、航空機で運ばれた感染蚊が媒介したものと考えられています。


(5)北米:米国での動物の狂犬病


ニューヨーク市では今年、30例の動物の狂犬病が報告されました。このうち25例がアライグマで、マンハッタンでも2例が確認されています(Outbreak News Today 2020-9 -29)。これ以外にも、スカンク、キツネ、コウモリなどが感染していました。米国滞在中は都市部であっても野生動物に近寄らないように注意しましょう。

 

日本国内での輸入感染症の発生状況(202097日~20201011日)


最近1ヶ月間の輸入感染症の発生状況について、国立感染症研究所の感染症発生動向調査を参考に作成しました。新型コロナウイルス流行にともなう渡航制限および入国制限により、この期間中の輸入感染症の事例は大幅に減少しています。

出典:https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2020.html


(1)経口感染症:輸入例としては腸チフス1例(パキスタンで感染)、赤痢アメーバ2例、ジアルジア1例でした。


(2)昆虫が媒介する感染症:デング熱が1例(インドで感染)報告されました。マラリアはこの期間に報告されませんでした。


(3)その他の感染症:真菌でおこるコクシディオイデス症(米国で感染)が1例報告されました。

 

今月の海外医療トピックス

「海外渡航とタバコ」


当センターは日本を代表するオフィス街である新宿副都心にあります。緊急事態宣言から解除後の1カ月程、街はゴーストタウンのようでしたが、今では多くのビジネスマンの姿があります。ここ最近、歩道で加熱式や電子タバコを吸うスーツ姿の人が急増しています。愛煙家の方々が、コロナとステイホームの影響でタバコから加熱式や電子タバコに変えたことや、近隣の喫煙所が次々と閉鎖されたことが原因かと思われます。さて、ビジネス目的の海外渡航者も徐々に増えてきています。日本では加熱式や電子タバコを気軽に入手可能ですが、世界的には健康への影響を調査中であり、加熱式や電子タバコの販売を禁止している国も数多くあります。例えば、日本人の出張先の代表格であるタイでは、電子タバコ(加熱式を含む)の持ち込みは禁止されています。在タイ日本国大使館ホームページによると、違反者は10年以下の懲役か50万バーツ(160万円以上)の罰金が科せられるそうです。以上をふまえ、海外渡航を控えた愛煙家は十分ご注意ください。(医師 栗田直)


〈参考〉 https://www.th.emb-japan.go.jp/itpr_ja/news_20180712.html

 

渡航者医療センターからのお知らせ


(1) オンラインによるワクチン相談の開始

渡航者医療センターではオンラインによるワクチン相談サービスを開始しました(有料)。オンライン診療で、渡航地域に応じたワクチン接種プランの提示や、留学に必要な書類の作成アドバイスを行います。詳細は下記をご覧ください。


https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/news/shinryo/20200729_2.html


(2) 6事・労務担当者のための海外勤務者メンタルヘルス対応ワークショップ

当センターの松永非常勤講師らが主催する「海外勤務者メンタルヘルスネットワーク」が、ワークショップを開催します。 「アジア圏の海外勤務者と家族のメンタルヘルス」をテーマに、関西福祉大・勝田吉彰先生のご講演や参加者によるディスカッションが行われます。

時:2020 1115) 14:3016:30、開催式:Zoomいたオンライン開催、定員:15 名程度(予約制)、参加費:無料

詳細は下記をご覧ください。

https://www.facebook.com/kmhnetwork/

 


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