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主要旅行会社、11月は海外・国内ともに減-HISが非公開に

  • 2020年1月16日

 観光庁が取りまとめた主要旅行会社48社による2019年11月の旅行取扱概況速報によると、海外旅行と国内旅行、外国人旅行(訪日旅行)を合計した総取扱額は前年比2.3%減の4237億5679万円となった。10月に続き2ヶ月連続の減少。内訳は海外旅行が4.1%減の1403億1994万円、国内旅行が3.0%減の4237億5679万円、外国人旅行が23.5%増の224億2648万円。

 海外旅行は、観光庁によれば香港でのデモなどが影響し、2ヶ月連続のマイナス。取扱額が増加したのは11社のみで、上位10社のうち増加したのはエアトリ(旧エボラブルアジア。4社計)だけだった。伸び率では取扱規模が比較的小さい京成トラベルサービスが56.2%増の1億1889万円が1位で、2位は42.5%増の23億6926万円となったANAセールス。同社によれば団体の受注件数増や、オーストラリアなどへのパッケージツアーの好調が大幅増につながったという。そのほか10億円を超える企業では、エアトリが28.3%増の47億6574万円で5位、旅工房が19.4%増の24億2024万円で6位、農協観光が3.6%増の11億1717万円で9位となった。

 国内旅行は台風19号によるキャンセルやその後の需要減などが影響し、取扱額が増加したのは17社だった。取扱額上位10社では2.1%増の阪急交通社、25.7%増のANAセールス、2.7%増のジャルパック、4.4%増の名鉄観光サービスの4社がプラスに。外国人旅行の取扱額は欧米豪を中心に比較的好調で、20社が増加。伸び率は前年同月の取扱額が約5万円の日立トラベルビューローが約161倍の774万円となったのが1位で、1億円以上では京王観光が約9倍の1億2038万円、10億円以上ではKNT-CTホールディングス(13社計)63.8%増の36億6984万円が1位となった。

 パッケージツアーに関しては、海外旅行の取扱額は3.9%減の298億3873万円で、取扱人数は8.8%減の13万7859人。国内旅行は取扱額が5.1%減の845億728万円、取扱人数が9.3%減の281万8893円で、外国人旅行は取扱額が29.2%減の3億9554万円、取扱人数が2.7%減の3万7813人だった。

 なお、18年6月の楽天に続き、今回からエイチ・アイ・エス(HIS)が取扱額を非公開としたため、集計対象となる会社数は48社に減少した。HISによれば、上場企業として実際の取扱額に即した正確なデータを提供してきたものの、他の会社については速報値と実際の取扱額に乖離が見られるケースも散見されることから、比較した際に誤解が生まれる可能性などを勘案して、新たな会計年度が始まる11月を機に非公開としたという。

 同社は18年11月分から毎月、観光庁の旅行取扱概況速報とは別に「旅行取扱高月次速報」として取扱高や方面別・商品別の傾向などを公式サイトやプレスリリースで発表しており、今後も継続する。観光庁によれば、21年度が始まる4月を目途に新たな2社を追加し、従来の「主要旅行会社50社」による発表を再開するという。

主要旅行会社取扱概況(Excelファイル)

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