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仏BFC地方が初のセミナー、8つの世界遺産やワインなど訴求

  • 2019年12月15日

(左から)オリエ=ドマ氏、モリノ氏  フランス東部に位置するブルゴーニュ・フランシュ・コンテ(BFC)地方観光局はこのほど都内で、日本では初めての単独によるセミナーとワークショップを開催した。同観光局の局長を務めるソフィ・オリエ=ドマ氏や、同地方議会副議長を務めるパトリック・モリノ氏などに加えて、ユネスコ世界遺産に登録された施設や観光地、ホテルなど計9団体が来日し、ワークショップは活況を呈した。

 ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方は2016年にフランス国内の地方改変により、ブルゴーニュ地方とフランシュ・コンテ地方が合併して誕生した。パリからTGVで約2時間の距離にあり、ワインやコンテチーズをはじめとする豊かな食文化に加えて、ジュラ地方を含む山岳地、ウォータースポーツなどを楽しめる湖や川など、美しい自然のある地として知られている。

ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方観光局のブース  また、同地方には12世紀に建てられ、毎年世界中から10万人以上が訪れる「フォントネーのシトー派修道院」をはじめ、計8つの世界遺産があり、しかもそれぞれの遺産は車で1時間程度の距離にあるため、効率的な観光が可能だという。

 2016年に世界遺産に登録された「ノートルダム・デュ・オー礼拝堂(ロンシャンの礼拝堂)」は、モダニズム建築の礎を築いた20世紀を代表する建築家のル・コルビュジエが設計。曲線を活かした外観や、内部に取り入れた光で視線を空に導く効果を演出する造りが特徴となっている。

 他の世界遺産やスイスおよびドイツとの国境とも近い礼拝堂には、毎年7万人の観光客が訪問。そのうち半数以上がアジアを中心とした海外からの観光客だという。日本人向けには、日本語のメディアツールなども用意されている。

ワークショップの様子  同地方では、15年に世界遺産に登録されたブルゴーニュのぶどう畑の「クリマ」をテーマに、ワイン愛好家やリピーターに向けた新しい視点のツアー造成も可能だ。「クリマ」とはぶどう畑の栽培区画を意味するもので、日照量や水はけの違いなどでワインの格付けがなされ、区画ごとにモンラッシェやロマネ・コンティ、シャンベルタンなどと命名され、その土地のワインを表すようになっている。ワインと合う美食を提供するレストランのなかには、日本人シェフが活躍している店もある。

 また、ブルゴーニュにはワインに関する専門知識を持つ日本人ガイドがいるほか、ハリー・ポッターの日本語訳で知られる松岡・ハリス・佑子さん夫妻がオーナーのホテル「シャトー・ド・サン・ジェルマン」もある。同ホテルには和風の温泉施設があり、日本語での対応もおこなっているとアピールした。