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ニューヨーク、20年は大型開発や羽田線でさらなる飛躍へ、オーバーツーリズム対策も

  • 2019年11月22日

(左から)マンマナ氏、コミュニケーションディレクターのブリット・ハイクープ氏、ヒーリー氏、アジア地区ディレクターのアルン・ゴヴァダ氏 ニューヨーク市観光局は、ホテル、美術館、エンターテインメント関連など12社の団体が来日しソウル、大阪に続き、11月21日に東京でセミナーとワークショップを開催した。

 ニューヨークへの総訪問者数は、2018年の6500万人から2019年は6700万人を予測。日本人訪問者数についても、2018年の34万1000人に対し2019年は35万人へと順調な伸びを予測している。なかでも富裕層(世帯年収が14万8000ドル以上)の割合が他国平均よりも高く、旅行中消費額は1953ドルにのぼり、文化的体験やニューヨークならではのラグジュアリーな滞在といった富裕層向けのツアーを出す日本のオペレーターも増える傾向にあるという。

 ニューヨーク市観光局は11月21日に東京でメディアブリーフィングを開催し、CMOのナンシー・マンマナ氏とツーリズム・マーケット開発担当マーケティング・ディレクターのマキコ・マツダ・ヒーリー氏が市の観光プロモーションの現状や今後の方針などについて説明した。

 マンマナ氏は、「アマンやシックスセンスなどの新たなラグジュアリーホテルも進出し、ILTMへの出展などを通して富裕層へのリーチに取り組んでいる」ことを紹介。さらに、スポーツツーリズムも「注目のセグメント」として考えているといい「NBAなどの観戦もあるが、2020年に50周年を迎えるニューヨークシティマラソンが参加型として人気を集めそうだ」と期待した。

 一方、ヒーリー氏は「ニューヨークには、それぞれ特徴のある5つの行政区にわたる様々な階層の情報が混在している」としつつ、各旅行者にあわせてパーソナライズしたコンテンツをデジタルチャンネルを通して提供していることを説明。そのうえで、高齢者を含めて旅行しやすいアクセシビリティと、プラスチック袋の廃止など環境に配慮したサスティナビリティもアピールした。

 昨今、人気都市で問題になっているオーバーツーリズムについては「そうならないように地理的、時期的に旅行者が集中しないよう努力をしてきた」とヒーリー氏。「5つの行政区どこでも同様に満足の得られる体験が得られるよう、サプライヤーと顧客双方に対して教育プログラムを実施してきた」という。

 例えば、冬季の需要喚起策として、「“NYCレストランウィーク”と“NYCブロードウェイウィーク”(ブロードウェーの公演チケットが1枚の値段で2枚入手できる)に加えて、2020年はさらに“NYCマスト・シー・ウィーク”(市内のアトラクション、博物館、ツアーなどのチケットを1枚の値段で2枚入手可能)を開始し、これらすべてを同時期に“Winter Outgoing”として1月21日から2月9日に実施する」計画だ。

 現在、ニューヨークへのアクセスは成田と羽田から全日空(NH)と日本航空(JL)がJFK空港に、ユナイテッド航空(UA)が成田からニューアーク空港(EWR)に運航しているが、2020年3月29日からは羽田からJLが増便するほか、UAも羽田からEWRへ就航する計画。

 マンマナ氏は、羽田線の充実により地方からのアクセスも改善することから、「新規ビジターの増加にもおおいに期待をしている」という。そして、「2019年にはMOMAや自由の女神博物館がリニューアルし、ハドソンヤードやスタテンアイランドの商業施設も開業したほか、空港のリノベーションもあり記念碑的な年だった」とし、「2020年には是非その魅力を味わいにニューヨークを訪れてほしい」と期待を語った。

※訂正案内(編集部 2019年11月23日19時10分)
訂正箇所:第2段落第1文
誤:現在、ニューヨークへのアクセスは成田と羽田から全日空(NH)と日本航空(JL)がJFK空港に運航をしているが、2020年3月29日からは羽田からJLが増便するほか、ユナイテッド航空(UA)はニューアーク便(EWR)を新規就航する計画。

正:現在、ニューヨークへのアクセスは成田と羽田から全日空(NH)と日本航空(JL)がJFK空港に、ユナイテッド航空(UA)が成田からニューアーク空港(EWR)に運航しているが、2020年3月29日からは羽田からJLが増便するほか、UAも羽田からEWRへ就航する計画。
お詫びして訂正いたします。