日本航空、19年上期チャーターは38本、地方強化にも意欲

  • 2019年4月25日

JLのB787-8型機 日本航空(JL)は2019年度上期に、合計38本の包括旅行チャーター(ITC)を運航する計画だ。方面別では欧州が19本、ハワイが9本、パラオが4本、アラスカが3本など。例えば欧州ではJTB、阪急交通社、日本旅行、クラブツーリズムの4社が用機者となる。今年は、阪急交通社と鹿児島と新潟からイタリアへの三角運航を実施したり、JTBと地方8空港からホノルルへのチャーターを設定したりするなど地方市場にも力を入れる。

 JL本店国際旅客販売推進部企画業務グループのアシスタントマネージャーとしてチャーター担当を務める冷川知美氏によると、JLが最も多くチャーター便を運航していたのは2007年ごろで、2010年代に入ると経営再建の過程で機材が減少、小型化し、チャーターの設定数も減少。

 こうしたなかで、機材ぐりや運航乗務員の配置などの効率化が実現し、この2年ほどは徐々に増加。「本数として爆発的に増やせるわけではないが、夏の高需要期にまとまって欧州へ運航するといった出し方をできるようになってきた」という。

 具体的には、18年度上期の30本と比較すると今年度は3割近くの増加となる。18年度は下期の11月に単月でホノルルへ14本を設定していたことから、年間では横ばいの予想であるものの、17年度比では24本増えている。

 今年度の出発空港としては、成田、関空、中部のほか、福岡や札幌、仙台、そして鹿児島と新潟も設定。従来、鹿児島/新潟/イタリアの三角運航は、大都市圏への運航が中心であったものの、「海外に出にくいエリアにお住いの方々にもご利用いただきたいと考えていた」といい、そこに阪急交通社とJTBからの要望もあって実現に至ったという。

 冷川氏は、地方発チャーターについて「今回のご旅行で取得されたと思われる方が多くいらっしゃる」と需要喚起の効果を説明。今後も、チャーター便で海外旅行の心理的ハードルを下げることで定期便の利用にもつなげていきたいと意欲を語った。

 ちなみにJLでは、かねて地方発着のチャーター便になるべくその地域出身の乗務員をアサインする「ご当地チャーター」の取り組みをしてきており、現在も継続。機内では地方ごとの言葉を用い、出身高校の話題で盛り上がるなど会話が弾む効果もあり、安心感の醸成にも貢献している。

 なお、2020年のチャーター計画については、東京オリンピック・パラリンピックや羽田発着枠の再拡張などもあり現時点ではまったく未定という。